KOCファイナリストのトリオ芸人・や団が居酒屋で声を掛けられて驚愕…「意外な人物」の名前
奇跡的に生まれたボケ
灰皿の回り続ける間が絶妙で、感動するほどでした。あのボケはどのようにして生まれたものなのでしょうか。 本間―はじめはただ灰皿が出てくるだけだったんです。いつかのライブで中嶋が灰皿を置いたときにたまたま回っちゃって、失敗したと思っていたんですが、それを見ていた先輩が「回ったのが面白かったから、作為的に回せるようになったらボケになるんじゃない?」と言ってくれたんです。それを受けて、むしろ灰皿が回ることが中心のネタが生まれた、という感じです。いまの形になったのは2020~2021年の頃で、奇跡的に生まれたボケですね。 本番で回らなかったらどうしよう、という緊張感がかなりあったでしょうね。 伊藤―それはもう回し担当の彼(中嶋)が一手に引き受けていました。「回せて当然」と言われ続けた男ですから(笑)。 テーブル選びにもシビアになっていました。SMAが持っている、「Beach-V(びーちぶ)」という劇場があって、そこによく回るテーブルがあったんです。練習先でも本番でも、そのテーブルを自ら運んでいましたね。 中嶋―当時はベストの机だと思っていたんですけども、いまから見ればちょっとちっちゃかったな、と思います。落ちそうで危なかったので、もっと大きい机にしていたら思いっきり回せていた気がします。 本間―ロング(伊藤)が灰皿を投げてなかし(中嶋)に当てる、という流れもあるんですけど、一時期はすごいノーコンでそれも大変でした。客席に落ちちゃったり、舞台の上には落ちるけどまったくなかしに当たらなかったり、イップスになっちゃって地面に叩きつけるように投げ出したり。なんかもういろいろありました。
ネタ合わせが長いワケ
ネタ合わせは他の芸人さんと比べてもかなり長い時間、綿密になさるほうなんですか。 伊藤―質の良さは置いておいて、費やしている時間は長いんじゃないか、と思います。3人とも不安になりやすいので、「一応やっておこうか」と言って、何度も合わせています。 本間―コンビだと1人が失敗をしてもすぐ修復ができるんですけど、3人だと意外と難しくて、1人が失敗すると次に誰が喋るのか分からなくなっちゃうんです。だからその分、多くやっておかないと不安なんです。「よく練習してるな」とか「もういいんじゃない?」とか、周りからも言われます。 ただ実際は「ここのボケを考えよう」という名目で集まったのに、3人だれもボケを発さずに、1時間ただ座っていることとかもあります。周りは、1時間みっちり練習して相当仕上がったんだろうな、と思うだろうけど、実際は何も変わってない、と。そういうことも本当によくあります。ネタ合わせってはじまっちゃえばいいんですけど、はじめるまでが億劫で……。3人で集まっても雑談をして何とか逃げるんですよ。 伊藤―やっぱり3人いるので、雑談の材料も豊富なんです。なかしがさっき食べてきたラーメンの話とかしだしたら、どこのラーメン屋? とか気になっちゃうから、それで盛り上がって気がついたら20~30分経っていることもよくあります。 ラーメンの話が終わってネタの練習をやろう、となったときに、本間さんが昨日女性とデートをしたとか、婚活のことを話し出すから、それも気になっちゃって。そうなると僕だけが話せないのも悔しいので、僕も話題を提供して、さらに時間がかかっちゃいますね。