ダイオウイカの展示 7月6日から国立科学博物館で開催
NHKスペシャルやその映画化などで、話題を呼んでいる幻の超巨大イカ「ダイオウイカ」を展示した国立科学博物館の特別展「深海」が7月6日から始まる。 “宿敵”マッコウクジラと戦う姿を再現した、ストラップ付きの前売り券3000枚が、早々に完売するなど、注目を集めている。 ダイオウイカは、その名の通り、「大王」から命名されている世界最大級の無脊椎動物。その大きさは、19世紀の記録によると最大で18メートルにもおよぶと言われている。世界中の温帯海域から亜寒帯海域生息し、日本近海にも生息する。日本近海のものは、5メートル前後のものがほとんどだと言われている。今回、展示されるのは、2007年に島根県出雲市の海岸に打ち上げられたダイオウイカの標本で、全長6メートルほどの大きさ。
ダイオウイカの天敵はマッコウクジラ(雄の最大全長は18メートル)で、その胃の中を調べるとダイオウイカを含む9割強が、複数の種類のイカであることがわかっている。マッコウクジラは音波、目、振動などでイカを探し当てている。一方、ダイオウイカも捕食されるだけでなく、マッコウクジラに対し反撃を行うと言われている。 国立科学博物館標本資料センターの窪寺恒己博士は、2004年に世界で初めて生きているダイオウイカの撮影(静止画)に成功。その後も研究を続けている。脚光を浴びるダイオウイカについて「(ダイオウイカは)わかっていないことが多すぎるのだ」と、窪寺さんはその神秘性について関心を示す。今回、展示の見どころはハンドボール程の大きさにもなる「目」だと説明した。