【Q&A】在日米軍の経費を日本が一部負担。「思いやり予算」とは?
Q:その後、どう予算を支出してきたの?
87年度からは日米間で特別協定を締結し、これに基づいて日本側が支払う分が加わるようになりました。 特別協定はあくまでも特例的、暫定的な位置付けでしたが、その後も91年、96年、2001年、06年、08年、11年、16年と期限切れを迎えるごとに新たに更新され、現在に至ります。 この間、基地従業員の労務費全額(基本給、手当を含む)や基地内の光熱水費も日本側が負担するようになりました。
Q:米軍が駐留する他の国はどうなっているの?
米軍駐留を受け入れている米国の同盟国が負担している経費は「ホスト・ネーション・サポート(HNS)」と呼ばれます。少し古いですが、米国防総省が2004年にその国際比較をした資料を発表しています。それによると、02年の主要同盟国の米軍経費の負担割合は日本が最も高く74.5%で、韓国40%、ドイツ32.6%と続きます。 前米大統領補佐官を務めたボルトン氏が20年6月に出版した回顧録で、トランプ大統領が、年間80億ドル(約8400億円)の負担を日本に要求していると証言しています。 日本政府は、これ以上増やす余地がないほど応分の負担をしているとの立場です。
Q:今後、「思いやり予算」が増える可能性は?
現行の特別協定は来年3月に期限切れを迎えます。ただ、今回は米大統領選の影響で本格化な協議をするには時間的な制約があるため、現行の枠組みを1年延長する暫定案が浮上しており、日本側はこれを軸に米側との交渉に臨む構えです。