スーツの着こなしでやりがちな間違い、NG例を解説!サイズ選びで失敗しない方法
スーツの仕立ては単純でもあり複雑でもある。 大金を費やしたのに失敗することもあれば、低予算でも完璧な仕立てに仕上がることもある。全ては肩のフィット感、パンツの履き方、仕上げに選ぶ靴など、微細なディティールが印象を決定付けるのだ。 【写真集】スーツスタイルで失敗しないための、理想的なサイジングのポイントを紹介。 正しい仕立てに導くためのヒントは無数にあるが、結局のところ、私たちは成功よりも失敗から多くを学ぶ。そこで「米国版Esquire」のファッションエディターが提示している、スーツ選びや着こなしで失敗しないためのNGポイントを参考にしてみよう。
ジャケットの正しいサイズの選び方は?
私たちがよく目にする仕立てのミスは、ジャケットの丈が短すぎることだ。 ここ10年ほどはテーラードジャケットの裾が徐々に上がっていて、かつては尻部分が完全に覆われていたが、最近はそうでないことも多い。優れたジャケットは体を細長くスリムに見せるが、着丈が短くボックスシルエットであればあるほど、それとは程遠くなる。 スーツを試着する時に試してほしいルールは、(手を下ろした状態で)裾が手のひらの中央まで伸びているかを確認することだ。尻部分を全て覆う必要はない。 ただし例外もある。 ラルフ ローレンやトム ブラウンなどのハウススタイルは、意図的に短くなっている(実際、トム ブラウンのジャケットは着丈が明らかに短い)。またユニクロやアーケットのようなカジュアルでワークウェア寄りのスーツは、クラシックな仕立てというよりも短めでボックスシルエットになっている傾向がある。これらはシャツとネクタイよりもTシャツとスニーカーの方が合わせやすいだろう。 一般的に、ジャケットのサイズは小さすぎるよりも大きすぎる方が良いといえる。 背中の上部に水平のシワが現れる場合(つまり両肩の間で強く引っ張られている)、もしくは首の後ろでシャツの襟とジャケットのラペル(下襟部分)の間に隙間がある場合は、ジャケットが小さすぎるというサインだ。 ジャケットが正しく体にフィットしている場合は、引っ張られたりシワになったりすることなく簡単にボタンに留めることができ、ラペルが外側に曲がることもない。また袖は手首の骨のすぐ上で止まり、シャツの袖口がちらりと見えているはずだ。 大まかに言えば、ジャケットはストラクチャード(構築製のあるライン)されているかいないかのどちらかに分けられ、胸、腕、肩上部におけるパッドの具合、構造、仕上げが要となる。ストラクチャードされていない仕立ては、広くて角張った肩にも快適さと動きやすさをもたらすが、生地の滑らかさが失われるのでカジュアルになりがちだ。 もしあなたがバラク・オバマ元大統領のようなクラシックな仕上がりが好みなら、ストラクチャードされたものを選ぶとよいだろう。 それから筋肉質の男性は、タイトな仕立てが筋肉を強調してくれると考えがちだが、これはただスーツがパツパツに見える悪しき習慣だ。あなたがもし筋肉質なのであれば、ニットのポロシャツとドレスパンツを合わせるだけでいいかもしれない。 新しいジャケットを購入した時に注意したい小さな点が、袖口とベント(ジャケットの裾部分についた切れ目)を仮縫いしているしつけ糸だ。これらは輸送中や店舗内でジャケットの形を保つためのものなので、購入したらすぐに切り取ってしまおう。 15年前にはインディーズバンドの影響で、“かっこいい”ともてはやされた細いラペルも現代では見直そう。超ワイドなラペルもNGだが、一般的に幅の広いラペル(ノッチ、ショール、ピーク)が好感を得られる。ジャケットの前面のボタンは全て留めず、一番下のボタンは常に外しておこう(ボタンが一つしかない場合を除く)。