【密着】ウズベキスタン 世界遺産の街でカフェを営み、仕事や親戚付き合い に奮闘する娘へ届ける両親の想い
人口の9割以上がイスラム教徒のウズベキスタンでは、日本とは風習が大きく違うこともしばしば。お祝い事のたびに月に数回開かれるという大規模な集まりもそのひとつで、ある週末にも、突然オビドさんのはとこの娘から招待が。急なお誘いもお国柄だという。今回は3人目の子どもが生まれたお披露目会で、一家は車で2時間かけて会場の家へ向かう。招かれた親戚は200人にものぼり、もはや誰がどの関係なのかもわからないほど。そしてお披露目されるはずの赤ちゃんと出会うことはなく、その姿を見ないままこの日はお開きになった。 またあるとき佳菜さんが訪れたのは、布の市場。「スザニ」というウズベキスタンの伝統的な刺繍生地を注文するという。ほとんどが一点もののこの生地から作ったバッグなどの雑貨をカフェやオンラインで販売しているそうで、購入した生地を持って向かったのは、オビドさんのいとこ姉妹が待つ縫製の工房。親戚に依頼するのは、仕事によって収入が安定し、生活も豊かになればとの思いもあるという。 そんな娘の日常に、「カフェも素敵な場所で、改めて頑張ってるなって思います」と、母・芳子さんは目を細める。また、たくさんの親戚とやりとりする様子には、「よくやってますよね」と父・俊彦さん。実は、佳菜さんの結婚式のときには親戚が700人も集まったそうで、自身もとにかく挨拶が大変だったと振り返る。
ウズベキスタンに嫁ぎ多くの親戚と奮闘する娘へ、両親からの届け物は―
宗教が異なる異国へ嫁ぎ、多くの親戚を雇っていくつもの商売を切り盛りする娘へ、両親からの届け物は、佳菜さんが幼稚園の時に紙粘土で作った「おにぎり」。このおにぎりの力強い佇まいが娘らしいと思い、ずっと大切にしていたという母の手紙には、「ご縁があってはじめて知ったウズベキスタンという国。その素晴らしさを多くの日本の人に知ってもらいたいと思ったことを忘れずに大切にして、オビちゃんと一緒に頑張ってください」とエールが綴られていた。 読みながら、涙がこぼれる佳菜さん。そして「小さい頃から両親はなんでも応援してくれて、支えになっている存在。このおにぎりを見て、お母さんとお父さんを思い出しながらまた頑張ろうかなと思います」と、ウズベキスタンでのさらなる奮闘を誓うのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年7月28日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」