フランスで「高齢化」するワイン人口。「日中いつでも飲んでいる」「若者は飲まない」は本当なのか
フランスで暮らしていると、ワインの豊かな文化にいつも驚かされます。フランス人にとってのワインは単なるお酒ではなく、日々の暮らしに溶け込んだ「生活芸術」そのもの。ワインを例えた言い回しやことわざも、たくさん存在しています。 【写真を見る】フランス人の「質素」な朝ごはん そこで今回は、在住者目線で見たフランス人のワインに対する考え方や、日常で感じるワイン文化についてご紹介します。
◆スーパーマーケットで見る、広大なワイン売り場
毎日の生活に欠かせないスーパーマーケットでも、あらゆる種類のワインが販売されています。ここでは、赤・白・ロゼ・シャンパンとジャンルごとに並んでいるほか、ボルドー、ブルゴーニュ、ロワールといった名産地のワインを、好みに合わせて選ぶことができます。 価格も手頃で、3ユーロから10ユーロ(約495円から1650円)程度で良質なワインが手に入るのも魅力です。そんなワインは、フランス庶民の心強い味方。「マルシェで新鮮な魚が手に入ったから、今日は○○産の白ワインを合わせてみよう」と気軽に手に取るイメージです。 また、ワインはフランスの家庭料理に欠かせない調味料。日本の「お酒」のような存在なので、料理に使いやすい、安くて手軽なワインがたくさん並んでいます。
◆家でもワインを飲むのが当たり前なフランス人
外食がとても高いフランスでは、ランチやディナーを「ホームパーティー」で振る舞うことが多いです。そのため、土日祝日は住宅街の庭先がとてもにぎやかに。みな友人や家族と一緒に、ワインを飲みながら会話を大いに楽しんでいます。 そのようなパーティーでは、アペリティフ(食前酒)でビールか軽めのワインを、前菜~メイン料理で白ワインまたはロゼワインを、食後のチーズで赤ワインを嗜む習慣があります。 また、ホームパーティーがない日でも、「チーズには赤ワインを絶対に合わせる」というフランス人がいます。フランス人にとっての赤ワインは、肉料理よりチーズにこそ合わせたいもの。チーズはフランスの食卓でも定番のアイテムなので、赤ワインを「家で」飲む人がとても多いのです。 これらの習慣は、日本ではあまり見られないものですが、フランスでの暮らしに欠かせない大切な「食文化」の一部だと言えます。