謝ったのに、なぜ許してもらえない? 謝罪が下手な人の「3つの失敗パターン」
「せっかく謝ったのに、なんで許してくれないの!?」。そんなふうに謝罪がうまくいかないときは、ある失敗パターンにおちいっています。プロのコーチとして、これまでに2万人以上のリーダーを対象にコーチングやリーダーシップの指導をしてきた林健太郎さんによる書籍『「ごめんなさい」の練習』から、謝罪がうまくいかないときの共通点を紹介します。 人間関係が良くなる8か条 ※本稿は、林健太郎著『「ごめんなさい」の練習』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。
なぜ、あなたの謝罪はうまくいかないのか?
相手に謝罪しても、うまくいかないこともあると思います。そんなときは、次の3つの失敗パターンに心あたりがないかチェックしてみてください。 ①「そっちが先に謝るべき」症候群 実際の「ごめんなさい」が必要な場面では、自分と相手が、ほぼ同時にカチンときていることが結構あります。そのときにおちいりがちなのが、「そっちが先に謝るべき」症候群です。 先日、妻とけんかをしたときに、この症候群におちいりそうになりました。ことの発端は、私が仕事のアイデアを妻に聞いてもらいたくて、気持ちよく話をしていたときのことです。 その説明の途中、1つのキーワードがたまたま妻に刺さったらしく、妻は私の話から大きく脱線して、自分の話をしはじめました。 私は元の話の流れに戻ってきてほしくて「お~い」と声をかけました。 軽い感じで言ったつもりが、妻からは「その言い方、こわい!」と悲しげな眼差し。反射的に私の口から出てきた言葉は、「だって、そっちが先に......」。 言った瞬間、「あっ」と気づきました。妻が「こわい!」と思ったのは間違いないので、そこについては謝るのが正解だと思いなおしました。 すぐに「ごめん。言い方がこわかったよね」と伝えると、妻も「私も話をとっちゃってごめんね」と返してくれて、けんかはボヤですみました。頭ではわかっていても、ついとらわれる「そっちが先に謝るべき」症候群。「ごめんなさい」がうまくいかないときによくあるパターンです。 ②顔がこわい 口では「ごめんなさい」と言いつつ、その表情がこわいことがよくあります。ふくれっ面で、いかにも嫌そうな顔をしていませんか。そんな顔では、「謝りたくないのに無理して謝るなよ」と言われてしまいます。 こわい顔になるのは、「相手と自分、どっちが悪いか」という正しさに、ついこだわってしまうからかもしれません。そんなときは「責任範囲を限定して謝る」ことを意識してみてください。相手を不快にさせたことに対してだけ淡々と「ごめんなさい」を伝えて、「それ以外は知~らない」くらいの軽やかさで言ってみましょう。 意外かもしれませんが、「ごめんなさい」は「かわいらしさ」と相性抜群です。これまでの人生で「ものすごく腹が立っていたけど、なぜか許せてしまった」という経験をしたことはありませんか。そのとき、相手は例外なく、かわいらしさや愛嬌あふれる「ごめんなさい」を言っていたはずです。 「ごめんなさい」を伝えるときは「深刻にならずに淡々と」がポイントですが、慣れてきたら、ぜひかわいらしさや愛嬌をトッピングしてみてください。「ごめんなさい」の持つ深刻さを軽くする、有効なスパイスになります。 いちばん簡単にかわいらしさや愛嬌を出す方法は、声音を変えることです。たとえば、普段のあなたの「ごめんなさい」のトーンが、ドレミの音階の「レ」だとしたら、それを「ラ」で伝えるイメージです。いつもより思い切りトーンを上げることで、軽やかさを演出できます。 ちなみに、かわいらしさの効果に、年齢や性別は関係ありません。かわいらしさと縁遠そうな人ほど、かわいく謝ったときの効果は絶大です。 ③言い方が雑になっている 面倒なことを早くおわらせたいという気持ちが強いと、「あ~、ごめん、ごめん」「はいはい、ごめん、ごめん」といったように言い方が雑になります。また、「なんか、ごめん」という曖昧な言い方をしてしまうこともあります。 雑だったり、曖昧だったりする言い方は、「面倒くさいから、とりあえず謝っとくか」という内心が透けて見えて、逆効果になってしまいます。