トランプ氏弾劾へ調査開始 「ウクライナ疑惑」主要関係者を整理する
■マイク・ペンス副大統領: トランプ大統領の代理として9月初めにゼレンスキー大統領と会談。トランプ大統領は9月1日にポーランドで式典に参加し、その後ゼレンスキー大統領との会談も予定していたが、国内のハリケーン対応に集中するために渡欧をキャンセル。トランプ大統領の代わりにゼレンスキー大統領と会談したペンス副大統領は、後に報道陣に対し、経済援助などについて話し合ったものの、バイデン氏に関する話はしなかったとコメントしている。
■ウィリアム・バー司法長官: 今年2月に司法長官に就任。7月25日の会談で、トランプ大統領はゼレンスキー大統領に対して、「バー長官とも会談を行ってほしい」との希望を伝えている。民主党議員からはバー長官を議会で証言させるべきとの声が上がっているが、現在までバー長官は「ウクライナ疑惑」に関して沈黙を保ったままだ。
■カート・ボルカー元ウクライナ特使: 1980年代から90年代にかけてCIAと国務省に勤務。2011年、ワシントンにある大手ロビー会社「BGRグループ」に転職し、現在は同社国際部門のトップでもある。BGRグループはウクライナ政府やインド政府をクライアントとして抱えており、軍需製品メーカー大手レイセオン社との金銭的な関係も複数の米メディアが報じている。ウクライナ政府が購入を熱望していた対戦車ミサイル「ジャベリン」は、現在レイセオン社が製造している。内部告発によって、ジュリアーニ氏とウクライナ大統領側近の会談をセッティングしたのがボルカー氏であったことが判明。また、ボルカー氏がゼレンスキー大統領に対し、トランプ大統領とジュリアーニ氏にどのような形で交渉を行うべきか助言していたことも明らかになっている。
【民主党陣営】
■ナンシー・ペロシ下院議長: 「ロシアゲート」疑惑も含めて、トランプ大統領の弾劾に向けてアクションを起こすことには消極的だったことで知られ、民主党の若手議員からは不満の声も上がっていた。しかし、今回は内部告発の内容が米主要メディアに報じられると、すぐさま弾劾に向けての調査を開始している。弾劾には慎重派とされてきたペロシ議長が動いたことについて、彼女を納得させられるだけの決定的な証拠がすでに民主党側には存在するのではという見方もある。