トランプ氏弾劾へ調査開始 「ウクライナ疑惑」主要関係者を整理する
【トランプ陣営】
■ドナルド・トランプ大統領: 7月25日にウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行った。その際にオバマ政権で副大統領を務め、来年の大統領選で民主党の最有力候補になるのではと囁かれるジョー・バイデン氏に政治的ダメージを与える情報を、ウクライナ側に提供してほしいと要求。ウクライナにとって喉から手が出るほど欲しいアメリカの経済援助や兵器の売却についても電話会談では言及したと内部告発者は訴えており、大統領選でライバル候補を蹴落とすという個人的な利益のために、アメリカ大統領の権限を不当に使用した疑いがかけられている。
■マイク・ポンペオ国務長官: 米中央情報局(CIA)長官から国務長官に転身し、トランプ大統領が最も信頼を寄せる側近の1人とされる。内部告発の中でポンペオ長官の名前が出ることはなかったが、後述する「仲介役」のジュリアーニ氏がスペインでウクライナのゼレンスキー大統領の側近と会談を行った際、会談場所のセッティングに国務省も関与していたため、米議会下院の3委員会は9月27日にウクライナ政府との連絡文書の提出を求める召喚状を出している。召喚状では今月4日までに文書の提出が求められていたが、下院外交委員会のエンゲル議長は6日、ポンペオ長官が召喚状に応じなかったことを明らかにしている。
■ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長: 「ウクライナ疑惑」の中心にいると報じられている元NY市長。過去数か月にわたって、バイデン氏が副大統領時代にウクライナの司法制度に対して不当に介入を試みていたと主張していた。トランプ大統領の強力な支持者として知られており、7月25日の電話会談でトランプ氏がゼレンスキー大統領に対し、「ジュリアーニ氏の話に耳を傾けてほしい」と語っていたことが明らかになっている。電話会談から数日後、ジュリアーニ氏はスペインのマドリードでゼレンスキー大統領の側近と会談を行っている。