子どもの受験モチベは親の「声かけ」次第。ゲーム禁止問題もどうする? 「やる気にさせるひと言」について中学受験YouTuberユウシンさんが答えます
ゲームやスマホをやめたからといって勉強するとは限らない
――勉強しないのはゲームをしてしまうから、ということもあります。中学受験をするならゲームはやめさせたいと思うのが親の心情ですよね。 「中学受験をするのにゲームをするなんてもってのほか」と思っている保護者は多いと思います。実際にゲームをしてしまって勉強時間が取れなくなることはよくあります。でも、本当にゲームは勉強にとって「悪」でしかないのでしょうか。 ゲームと勉強について研究をした大学教授がいます。その教授のデータによれば、たしかにテレビやゲームと、子どもの学習時間の間には負の因果関係があることが示されています。でも、1時間テレビやゲームをやめさせたとしても、2~3分程度しか学習時間が増加しないのだそうです。そうであれば子ども側の視点に立ち、「うちの子が勉強をがんばるためにゲームをどう使うか」と考えたらどうでしょうか。 そのルールも、子どもと一緒に考えましょう。たとえば、「10分ゲームをやったら50分勉強をする。勉強の間はゲーム機やスマホは遠ざける」など。親が最初から決めずに、子どもに「あとで後悔しないように、勉強もしっかりやったほうがいいよね。そのためには、どんなふうにゲームと勉強を両立させようか?」などと声をかけて考えてもらい、ちょうどいい方法にブラッシュアップしていきます。 人はだれでも、自分が決めたことは積極的にできます。本人ががんばるために少し後方で存在するのが親。主役は子どもだということを忘れないでください。
なんでもほどほどにできる子より「とがった子」が今後の社会では活躍する!
――親はつい、子どもを否定的に見てしまいますね……。 親御さんは心配のあまり、ついお子さんに悪いところに目を向けて直してあげようと思ってしまいますよね。それもわかります。でもいいところに目を向けたほうがうまくいきます。人はだれでも能力がデコボコで、いいところもあれば悪いところもあります。それをできるだけ丸に近づけて平均化するより、とがったところをどんどんとがらせたほうがいいんですよ。今の社会は役割が細分化されているので、お子さんが苦手な部分は将来、社会ではだれかが担ってくれます。それより、とがったところがないと、今後の社会では活躍できないと思います。 受験に関しても、「字が汚くてハネがきちんとできていないから減点になる」とよく言いますが、そんなことより漢字がわかっている、文章の意味が理解できるというほうが大事です。小さな部分を否定的にみられ、そこばかり練習しろと言われてしまうと、子どもはイヤになるものです。普段はダラダラしていても、短時間にグッと集中する力のある子もいます。できているところをほめて、そこを十分に伸ばしてあげたいですね。