「俺って本当にツイていない」個人投資家が嘆く…株式市場で起きている“異変”とは?(黒岩泰)
【シニアのためのマネー講座】#97 「自分だけツイてない」 そう思うこともあるだろう。 【写真】養子先から15億円相続…カスタネット芸人・前田けゑさんは今、スマートなヤリ手実業家 「電車に飛び乗ったら反対方向だった」とか、「お会計456円です」って、ちょっと待って小銭が……、「あっ1円足りない!」とか。 「あっ、カミさんが帰ってきた。裸だけどまあいいか」ってドアを開けたら、「宅配便です!」って、さすがに立ち直れないよな~。 「何で自分だけこんなにツイてないんだろう」 いま、東京株式市場では同じようなことが起こっている。個人投資家が大好きな小型株(代表的な指数はグロース250)が安値を更新しているからだ。 ■TOPIXは好調だが… 2月の高値から、もう3割も下落。一方、機関投資家が運用の基準としているTOPIX(東証株価指数)は年初来高値圏での推移。特に銀行株とか電力株は絶好調である。なんで、こんなに差がついてしまったのかーー。 個人投資家の多くは、このような好調な銀行株や電力株は持っていない。もっと値動きの軽い中小型株を持っている。だから、「株価が上がっている」といっても、個人投資家の多くはボロボロ。「俺って本当にツイていない」と思っているのだ。 最近では、多くの投資家が「退場」を強いられている。そうしたなか、負けまくっているブロガーの自虐エピソードを見て、「気持ちが癒やされる」という人は実に多い。 自分よりも不幸な人を探して、「この人よりもマシ」と思いたいのだろう。目くそ鼻くそを笑う、である。 でも、運というのは、その人の考え方によって大きく変わる。 「ツイていない」と思っている人は不運しか訪れず、逆に「自分はラッキー」と思っている人には、幸運が回ってくる。そんな巡り合わせなのだ。 だから、いくら株で負けていても、「これはラッキーの前兆!?」くらいに思えばいい。 「生き残っただけでもラッキー。これは大爆発の予感!?」 そう考えるのだ。実際、株式相場なんていうのは、投資家たちの“懐疑”のなかで育っていくもの。気が付けば、「倍返し」なんてことはよくある話だ。 なので、シニア投資家の皆さんは、常に「前」を向いて進んでいきたい。仮に全部、“溶かして”しまっても、「何かの前兆」とポジティブに捉えたい。でも、さすがに全部なくしたら、やっぱり立ち直れないよな~。 (黒岩泰/株式アナリスト)