どっち?「使い捨てカイロ」は燃えるゴミ?燃えないゴミ? 成分の半分以上は鉄粉だが…記者が調べてみた
寒さが身にしみる時季。手軽に体を温めてくれる「使い捨てカイロ」のありがたみを感じつつ、使い終わったカイロを捨てる際にいつもモヤモヤしている。記者が暮らす長野市では、カイロは燃えるゴミの指定。しかし、カイロの中には鉄粉が入っている。そのため、「本当に燃えるゴミ?」と後ろめたさを感じつつゴミ袋に放り込む。「リサイクルできないのか?」と気になって、長野県内の全19市における使い捨てカイロのゴミの指定先を調べた。長野市や松本市など16市は燃えるゴミだったが、岡谷市と大町市、千曲市の3市では不燃ゴミだった。どうして自治体によって指定が異なるのだろうか。 【写真】カイロの中身。半分以上が鉄粉。
カイロの成分
まず、カイロの仕組みと成分をおさらい。カイロの温かさは、鉄がさびる(酸化する)時に出る熱を利用している。カイロの袋の中には、鉄粉や保水土、活性炭などが入っていて、鉄が適度な温かさで酸化するべく配合されている。大手の小林製薬は「原料の半分以上は鉄粉」とホームページで説明。半分以上が鉄ならば、燃やさずにリサイクルできそうだが…。
不燃ゴミ指定の自治体
大町市は、カイロのゴミの出し方を金属類に指定している。金属類ならばアルミ缶のような資源物の扱いかと思ったが、同市の不燃ごみを回収、処理している大北リサイクル事業協同組合によると、カイロは金属を含んだ不燃ゴミの扱い。その他の不燃ゴミと一緒にプレスして大きな塊にし、リサイクル事業者に渡している。 ただし、カイロの鉄粉を完全にリサイクルすることは難しいようだ。カイロを不燃ゴミに指定する千曲市。この不燃ゴミを処理する葛尾組合によると、不燃ゴミをプレスする際にカイロの袋は破れて鉄粉がこぼれてしまう。プレス過程でこぼれた物は「不燃ざんさ」と呼ばれ、埋め立てゴミに回される。岡谷市はカイロを埋め立てゴミに指定している。 カイロを燃やさずに処分している自治体はあるが、さまざまな処理をした上で埋め立てゴミになっているようだ。では、長野市や松本市のようにカイロを燃えるゴミに指定している自治体は、どのような理由で“燃やす”と判断しているのか。