2回コロナ感染、左腕骨折でも「災難じゃない」――ゴリエ旋風で人気再燃、ゴリ49歳の恩返し
ゴリが創作活動で「沖縄」というテーマにこだわるのは、40代に入って心境の変化があったからだ。 「40歳になったときに、もう人生も折り返し地点に来たな、と思ったんです。僕は沖縄が嫌で東京に出てきた人間ですが、自分の人生を振り返ったら、沖縄出身ということで仕事をいただける機会も多くて。沖縄のおかげで今の自分があるので、これからは沖縄に恩返しをしたいなと思いました」 映画や小説でも沖縄を舞台にしているし、おきなわ新喜劇でも沖縄のことを題材にしている。しかし、あくまで「笑い」がベースになっている。映画『洗骨』でも「人間の生と死」という重いテーマを扱っているが、随所に笑いが入る。それが「芸人監督」の真骨頂である。 「僕は人生の半分以上お笑いの世界に足を突っ込んできたので、そこで培ったものを使わないともったいないと思うんですよね。でも、ただ笑わせて終わりじゃなくて、楽しみながらも何か心のおみやげを残せるような内容にしたいんです」
2回コロナ感染、左腕骨折 でも「災難じゃない」
最近、私生活では、2度の新型コロナ感染、左腕骨折などのトラブルに見舞われた。それらについても決してネガティブに考えてはいない。 「みんなが災難ですねって言ってくれるんですけど、僕の中では災難じゃなくて、何か学べってことなんだなと思っています。コロナにかかったのも小説を書いている途中だったので、むしろ執筆が進んだんです。骨折で利き手が使えなくなったんですけど、その分だけ人の優しさにも触れたりできるし、日常で不自由を強いられている人にも気持ちがいったりしますし。1日ぐらいは落ち込みましたけど、次の日からはもうポジティブに生きてます。絶対損したくないって思うんです」 その前向きさの裏にあるものを問うと「いつも死ぬことを考えている」という意外な言葉が返ってきた。 「暗い意味じゃなくて、僕は常に頭の中に死があるんです。なんで死ぬのかわからないし、死ぬっていうゴールが決まっているからこそ、この命を生き尽くしたいんです。だから、会いたい人がいたらすぐ会いに行ったほうがいいし、やりたいことはすぐやったほうがいいと思っています」 沖縄を背負って、限りある命を燃やし、日本中に笑顔を届ける希代のエンターテイナー・ゴリの情熱は誰にも止められない。