いい加減にしろよ、おっさん…〈年金月21万円〉65歳・元エリートサラリーマン、〈時給1,580円〉の居酒屋で先輩アルバイターから激詰め。プライド捨てても週5勤務を続けるワケ
増加するシニア起業。開業職種で人気は「飲食」
山中さんは60歳定年で仕事を辞め、友人とともに起業。始めたのは飲食店でした。 ――ちょうどインバウンドで、いい感じだったから。「ザ・居酒屋」みたいな店ならいけるかなと思ったんですよね ただ開店から間もなくコロナ禍となり、やむなく閉店。そのときの負債はお互い退職金などで清算したといいます。しかしコロナ禍があけ、不完全燃焼だった起業への挑戦にまた火がつきます。ただ最初の起業はあまりに安易だったと反省し、“修業”として居酒屋でアルバイトをしているのだとか。 ――息子たちと同じくらいの年齢の子たちに叱責される日々ですから……自信喪失ですよ(笑) プライドを捨ててでも居酒屋バイトを続けるのは、再度、起業に挑戦したいという思いから。友人も同じように別業態の飲食店でアルバイト中。以前は安易に考えていた飲食店経営ですが、もっと綿密な計画のもと、再度出店を目指しています。 株式会社アントレによると、2023年の新設法人は約15万人。個人・法人の割合では、個人が85.2%を占め、年齢では「50代」が35.0%と最多。続いて「40代」が29.6%、「30代」が16.0%。「60代」も15.9%と、シニア起業は珍しいものではありません。 開業職種としては「飲食」が9.3%と最多。「IT・通信・携帯電話」が8.2%、「移動販売・宅配・テイクアウト」が7.7%、「運送・配送」が7.6%、「リサイクル・リフォーム」が7.3%、「雑貨・インテリア・アパレル」が7.2%と続きます。 ――妻は呆れかえっていますが、「やりたいことがあるならやれば」といってくれています。あっちも好きなことができて都合がいいんだと思いますが 内閣府『令和6年版高齢社会白書』によると、「65~69歳」の就業率は53.5%。「70~74歳」で34.5%、「75歳以上」で11.5%です。高齢者の3割が「家計にゆとりがない」というなか「生活のために働いている」という人は多いでしょう。一方で「老後を豊かに過ごすために働いている」という人も一定数います。 年金を受け取る年齢になっても、起業を目指す山中さん。その姿勢を羨ましく思うか、無謀と思うかは人それぞれでしょうか。 [関連職種] 日本銀行『全国企業短期経済観測調査(短観)(2024年12月調査全容)』 内閣府『令和6年版高齢社会白書』 株式会社アントレ『【2024上半期まとめ】23年の新設法人が15万人!シニア層に起業拡大 アントレ独自調査でもシニアが活況、50代の会員率が過去最多を更新』
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