「3年で辞めた根性なし」と決めつけられ…まさか今どき「圧迫面接」!? 対処法をキャリアカウンセラーが解説
証券会社の営業マンとして3年間働いたAさんは、新たなキャリアを求めて転職活動を始めました。ファイナンシャルプランナーの資格を取得し、個々のライフプランの相談に乗る仕事に就きたいと考えていたのです。希望に胸を膨らませ、生命保険や損害保険の代理店への転職を目指していました。 【写真】「こちらの会社は、みなさんすぐにお辞めになっていて…」聞かずに後悔した、ハローワークの職員の“アドバイス” Aさんは有力候補の保険代理店の面接に臨みますが、面接室に入った瞬間から違和感を覚えます。3人の面接官のうち1人が、明らかにめんどくさそうな態度を示しており、Aさんの心に不安が芽生え始めました。 そして面接が始まるとこの面接官は、Aさんの経歴に対してネチネチとした攻撃を始めたのです。ファイナンシャルプランナーの資格について「この資格や役に立つの?」と価値を否定し、3年で前職を辞めたことを根性のなさだと決めつけました。Aさんは自分の経験や資格が全否定されるような感覚に襲われ、言葉を失いました。 この予想外の展開に、Aさんは動揺を隠せません。どうにか面接官の意図を理解しようと試みましたが、単なる否定や攻撃にしか感じられず、戸惑いは増すばかりでした。 面接が終わった後、Aさんは深い失望感に包まれました。ハラスメント対策が進んでいるはずの現代社会で、なぜこのような面接が行われるのか理解できませんでした。この経験は、Aさんの自信を大きく揺るがし、転職活動への意欲さえも失わせそうになりました。 圧迫面接は近年減少傾向にあるとはいえ、まだ完全になくなったわけではないようです。そこで、現代の採用活動における面接方法について、キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞きました。 ー圧迫面接はまだおこなわれているのでしょうか 志望者を圧迫しても本心は引き出せないこと、またSNSなどに書き込まれるリスクも大きいことから、圧迫面接にならないよう気をつけている企業がほとんどだと思われます。とはいえ、実際に面接を受けた志望者から「圧迫面接だった」と報告を受けるケースはゼロではありません。特にメンタルの強さが求められる会社では、就業後を考えて圧の強い面接になる傾向を感じます。「うちが一番なんやったら、ここで内定承諾書を書け」と言われた志望者もいました。 ー圧迫面接に合ったらどうしたらいいでしょうか 志望者からすると、どうしても採用する側の立場は強いので、圧迫を感じがちです。面接官が志願者のことをよく理解するためにする深堀質問を、問い詰められていると感じる人も多くいます。圧迫を感じた場合は、自分のことを深く理解しようとする質問なのか、立場を利用した威圧的・攻撃的な詰問なのかを分けて考える必要があります。 ◆七野綾音(しちのあやね)キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。 (まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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