「部長、どうか私を管理職にしないでください」出世したくない会社員が激増する3つの理由
柔軟性のある人材なら問題ないが、これまでのやり方に固執したがる人にとっては負担が大きいだろう。組織メンバーの意識や行動もその都度変化させなければならない。変化耐性の低いメンバーがいるとマネジャーが感じるストレスは大きいだろう。 以上、3つの「本当の理由」について解説した。 ■出世したくない人への3つの対策 それでは具体的な対策について考えてみよう。 出世したがらない人の言い分が「割に合わない」ということだとしたら、「割に合う」ようにすればいい。そこで出世することで以下3つのリワード(報酬)が増えるようになるなら、どうだろうか。
・経済的リワード(給料や賞与など収入が増える) ・時間的リワード(労働時間が減る。自由な時間が増える) ・精神的リワード(やりがいを覚える。キャリア形成にも役立つスキルが身につく) このうち、労働時間が減ることは現実的ではないかもしれない。しかし出世しても労働時間が今以上に増えなければ、不満は大きくならないだろう。わかりやすく書けば、ストレスなく成果が出ればいい、ということだ。ストレスが少なければ精神的負担は減る。いっぽう成果が出れば精神的リワード(報酬)は、確実に上がるだろう。当然、経済的リワードも上昇するはずだ。
そのために、私が意識してもらいたい対策は以下の3つ。 (1)マネジャーの定義をハッキリさせる (2)部下育成の責任範囲を明確にする (3)若者へしっかり啓蒙する 本人任せにせず、組織全体でこの3つの対策をやれば、マネジャーが「割に合わない」と思うことはないはずだ。 (1)マネジャーの定義をハッキリさせる 前出した通り、マネジメントとはリソースの効果効率的な配分である。企業はまず、マネジャー職の役割を明確にする必要がある。「ヒト・モノ・金・情報・時間」といったリソースを効率的に配分することで目標達成させることがマネジャーの仕事である、ということをハッキリさせる。