「部長、どうか私を管理職にしないでください」出世したくない会社員が激増する3つの理由
つまり、こうだ。なぜ出世すると負担が増えると思い込むのか? 本人だけでなく、メンバーも全員がマネジャーの仕事を拡大解釈しているからだ。やらなくてもいい仕事まで背負い込み、自分の本来やるべきことができなくなるから「割に合わない」」と思い込むのである。 ■若手を育てる余裕がない (2)若手を育てるのに苦労する 口には出さないが、若手社員の育成が難しいと受け止めているマネジャー候補はとても多い。直属の上司が苦労している姿を見ると、「自分にもできるだろうか」と不安になるのもわかる。それよりも深刻なのは、他者視点よりも自分視点のほうに意識を向けている社員が増えていることだ。
「若い人には活躍してほしいが、自分だって安泰じゃない」 「イチイチかまっている暇はない」 不確実性の高い時代になり、「もう自分の将来は安泰だから、あとは後進に道を譲るだけ」と思っている先輩社員はほぼいない。50代になってから焦ってはいられない。30代のうちに別業界でも活躍できるよう、日々スキルを磨かないと、と考えるのだ。 しかも現代の若者は価値観や働き方に対する意識が多様化している。過去のやり方で期待通りに育つとは限らない。たとえば若手の中には、自分のペースで成長したいと考える者も多い。即戦力として期待されることにプレッシャーを感じるせいだろうか。このような状況で、マネジャーが若手を育成する責任を負うことは、大きな負担となる。
(3)不確実性の高い時代に目標達成できない これは私の分野である。私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。私が最も信頼関係を構築できる相手は、断然経営者だ。「絶対達成してもらいたくない」という経営者など、ほとんどいない。 20年近く現場で支援してきて、肌身に感じているのは、「不確実性の高い時代になった」ということだ。決して難易度が高くなっているとは言わない。しかし、予想外のことが毎年のように起こるため、過去のやり方に執着せず、スピーディに変化していく姿勢が大事だ。