「モスポール」で、つるを上に!アロイドの魅力を最大限に引き出そう
室内で楽しむ園芸も、奥が深い! 今回は、「ポトス」などでおなじみの「つる性アロイド」に着目。下に垂らして飾ることが多いですが、じつは、上に伸びるのが本来の姿。仕立て方にひと工夫して、植物本来のポテンシャルを最大限に引き出してみませんか? 『趣味の園芸』6月号掲載「インドア栽培 AtoZ」第3回より、一部抜粋してお届けします。 みんなのポトスの写真
本来の姿は「下から上」へ!
つるが伸びる観葉植物の代表格といえば「ポトス」の名で親しまれるエピプレムヌム・アウレウム。つる性アロイドの仲間です。吊るした鉢からつるを長く垂らす栽培スタイルが、代表的な楽しみ方といえます。 しかし自生地では、つるを木の幹に付着させ、下から上へ伸びていくのが本来の姿なのです。室内栽培でも、つるを垂らすと葉と葉の間が間のびして、葉も小さくなりがち。それに対して、つるを下から上に登らせると葉と葉の間が詰まり、葉も大きく茎も太く育ちます。自生地の姿に近い栽培方法で、本来の「伸びる力」を存分に発揮させてみませんか。
つる性アロイドとは
「アロイド」はサトイモ科の植物の総称。そのなかでも、つるを伸ばすタイプが「つる性アロイド」です。長いつるから根を出し、自生地では木の幹などに張りついて成長します。 つる性アロイドの自生地は熱帯ジャングル。地面に落ちたタネから芽を出し、つるを伸ばして木の幹に張りつきながら、光を求めて上へ上へと伸びていきます。樹上で花を咲かせたあと、タネを地面に落として次の世代が育ちます。
これが「モスポール」だ!
自生地で、つるが付着する樹木の代わりに、水ゴケを使った「モスポール」を使って育ててみましょう。付着根が出やすく、つるもよく伸びて見違えるほど元気に育ちます! モスポールの水ゴケと用土が接しないよう、すき間を空けておくのがポイント(用土が過湿になるのを防ぐ)。モスポールのつくり方、管理の方法は6月号で詳しく紹介しています。
連載「インドア栽培 AtoZ」(2024年4月号~) 気軽に植物を暮らしに取り込もうと、室内で植物を育てたいという園芸ファンが多くなりました。熱帯植物栽培家の杉山拓巳さんが、さまざまな植物を室内で育てるためのテクニックを毎月紹介します。 杉山拓巳(すぎやま・たくみ) 熱帯植物栽培家 愛知県で熱帯植物の生産を行う。ビカクシダをはじめ、ティランジアやアンスリウム、ホヤなどに造詣が深く、育種も手がける。SNSで栽培に関する情報を発信中。著書に『観葉植物 パーフェクトブック』『12か月栽培ナビNEO ビカクシダ』(NHK出版)など。 ●『趣味の園芸』2024年6月号 インドア栽培 AtoZ「とことん伸ばそう つる性アロイド」より