M-1決勝で話題の双子漫才師・ダイタクが「M-1に全振りなんてできなかった」ワケ
芸人としてはコンビ歴15年だが、一卵性双生児としてのコンビ歴は40年。M-1ラストイヤーで決勝まで勝ち進み、双子ならではの息の合った漫才で7位に輝いた双子漫才師・ダイタク。兄の大、弟の拓ともに「実はまだ全然知名度がない」「M-1でいろんな人に知ってもらえてラッキー」と語るが、彼らの漫才を楽しみに劇場に足を運ぶファンも多く、彼らのことを慕う後輩芸人も多い。 【写真】トータルテンボスや囲碁将棋について語るダイタク そんなふたりはM-1後の世界をどう見据えるのか。M-1決勝直前に、現在の心境や今後の目標について話を聞いた。 * * * ■だいぶ手前の、分かりやすいネタを ――このインタビューを収録しているのはM-1直前ですが、記事が出るころにはダイタクさんを取り巻く世界が一変している可能性もありますね。(まだやっていない)M-1の決勝戦の手応えはいかがでしたか? 大 いや、本当に楽しく2本できました(笑)。 ――ラストイヤーでM-1決勝まで勝ち進んだということは、今までと何か変えたこととかがあったんですか? 大 変えたというかたまたま変わったというか。僕ら10年くらい前から、もう解散された田畑藤本さんと賞レース対策のライブをやってて、3~4年はやったかな。それ以降はM-1に向けたネタ作りとかライブとかはやらずに、自分たちの単独ライブに力入れ始めたんです。そこで1本、M-1向けのネタが出来たらいいかなぐらいの感覚で。 その辺りからM-1との向き合い方が変わってきて。これまで賞レース用のネタをいっぱい作ってきたから、それまでの財産でも行けるんじゃないかって思うようになって。実際、2019、20、21の準決勝のネタは結構前のネタをやってたんです。 で、今年は久しぶりに、去年の単独ライブで出来たネタでM-1の準決勝に臨んだんです。ただそれも、毎年単独ライブでやってる60分漫才の中でポップなネタが欲しくて作った、お客さんが笑いやすくて、 双子であることもうまいこと使えてて、みたいな比較的分かりやすいネタで。最初作りかけの時は難航して一度置いといたんですけど、ヒーローインタビューっていうみんながよくやるベタな形と組み合わせたら、すごく分かりやすいネタになったんです。それをどのライブでやっても1番ウケて。 でも、あまりにも分かりやすいネタだったんで、僕ら的にもウケすぎててちょっと困って。暖簾に腕押しなんだけど、なんかやたらと反応があって、簡単にウケすぎて正直つまんないなって言ってたくらいなんですよ。 拓 だからウケすぎるところを逆にカットして緩急つけるように変えたりして。そしたら今回M-1の決勝までたまたま行けたんで、自分たちの中ではかなり手前の、分かりやすいことをやってるネタだと思ってるんですよ。もっと前からそうやってたらよかったのかなとか考えたりとかしますね。 ――ダイタクさん的には、新しい分かりやすいネタと、過去に作りためてきたいいネタ、どちらが今は好きですか?