M-1決勝で話題の双子漫才師・ダイタクが「M-1に全振りなんてできなかった」ワケ
大 近い先輩でも辞めた方でもたくさんいますけど、1番上の兄さんだとトータルテンボスさんにはお世話になって。俺らが5年目とかの頃から全然からみがなかったのに、トータルさんがMCをやってるルミネのライブに呼んでいただいて、そこから毎回ゲストに呼んでくれて、毎回呑みも連れてってくれてみたいな。昔ながらの芸人気質がある方々で、特に藤田さんは呑みも長いし(笑)、「これが芸人の世界か!」っていうパワーを感じる存在ですね。 他にも囲碁将棋さん、トレンディエンジェルさん、マヂカルラブリーさんは、僕らが一番下のライブに出てた頃からものすごくお世話になった憧れの存在ですね。でもそういった先輩方でも、だんだんとM-1の戦績で追いついてきたりするときちんとライバルとしても見てくれるし、でもご飯に連れて行ってくれてアドバイスもくれたりする。 その中でも一番の絆という意味で言うと、囲碁将棋さんの存在は大きいですね。今でも吉本の若手はみんな敬意を込めて「マジで囲碁将棋には勝てないな」って言ってます。ずっとおもろい。そんな囲碁将棋さんですらM-1の決勝には行けなかったし、それでおふたりが腐りかけた時期があるのも知っているので、ある意味で「僕らは囲碁将棋さんみたいになっちゃいけない」っていう気持ちもありました。僕らの決勝行きも囲碁将棋さんが一番喜んでくれましたしね。 ――そういう先輩たちがいるからこそ、今は後輩にそれを受け継いでる? 大 そういう意味ではやっぱりニューヨークは最初見た時に衝撃的に面白くて、「コイツら面白れえな」と思って、呑みに行くようになってからもう15年の付き合いだし。ダンビラムーチョもそうだし。逆にオズワルドみたいに全然関係性がない時から伊藤に「ダイタクさん、ちょっとライブ呼んでくださいよ」って突撃されて、そこから仲良くなった後輩もいるし。 ――やっぱりダイタクも先輩の男気を受け継いでるんですね。 拓 でもね、実は男気は全然ないんですよ。ただ呑んでるだけで。「ネタなんか作んなくていいよ、みんなで楽しく酒呑もうぜ」っていう悪のほうに引きずり込んでるだけ。だって楽屋なんて一番面白い場所なのに、静かにネタ書いてるやつとかもいるんですよ。もちろんいろんな人がいて当たり前なんですけど、だって努力と結果が直結しないんだもん。だったら今日は呑んじゃえばいいじゃんっていう、そんな感覚でずっとやってるんです。 どうせ売れるんだったら楽しんで売れたいし、売れないんだったら楽しみたいし、楽しんだ方が得じゃん。結果なんか出なくたって、今はそいつに負けてるだけで、10年後は何があるか分かんないし。 大 ダンビラムーチョなんてずっと一緒に呑みに行ってるけど、アイツらそんなにネタ作ってないですもん。でも去年M-1決勝行って、今年はキングオブコントの決勝に行って。アイツらは本当センスと才能ありますよ。でも努力なんてもう全然してないと思います。アイツらこそ時代が追い付いてきたっていう感覚ですね。 ――そういう考え方のほうがメンタルにも良さそうですね。 拓 そうそう。メンタルがやられないんですよ。まあもちろん、結果が出なかった時に「もっと頑張っとけばよかった」とかめっちゃ思いますけどね(笑)。 ■M-1ラストイヤーを終えて ――そんなダイタクがいつもの仲間とやっている主催ライブが、2025年2月に規模を大きくして開催されると。