社民党の吉川幹事長が会見(全文1)自衛隊の憲法明記は容認できない
安倍首相の「憲法は国の理想を語るもの」との認識自体が誤り
また、総理は常々「憲法は国の理想を語るもの」と言いますが、この認識自体が誤りです。憲法は最高法規として、主権者である国民の権利、それを保障する国の責任などを規定するものです。もし憲法の条文が理想に過ぎないのであれば、国民生活の向上や社会福祉の領域で国の責任はなくなります。なぜなら、あくまでそれは理想に過ぎないからです。 関連して外交問題にも触れます。安倍総理は北朝鮮に対する最大限の圧力を主張していたはずなのに、米朝首脳会談が実現するやいなや、前提条件なしの首脳会談を主張しはじめました。軸足がどこにあるかまったく分からず、結果、日本は北朝鮮問題で蚊帳の外です。またG20の議長国として自由公平、無差別な貿易体制の必要性を首脳宣言で取りまとめながら、その一方で韓国への輸出規制、これを実施したことも私には理解できません。日韓の関係を非常に危惧しております。 米国との関係は非常に大切です。しかし米国を追随の2国間安保は、冷戦体制を引きずる亡霊に過ぎないと思います。アジア諸国との関係にも目配りをし、対話と協調、信頼醸成を基礎とした多国間の安全保障へ転換すること、そこでリーダーシップを発揮することこそ平和憲法の理念だと考えます。 暮らしと憲法を脅かしてきた安倍政権の政治を変える、その大きなステップにすることがこの選挙戦の課題であること、これはもう冒頭にも述べさせていただきました。また、今回の選挙は社民党にとっても非常に重要な、そして正念場の戦いです。この参議院選挙で2議席、また比例選挙の得票率2%、おそらく得票数でいうと約120万票だと思いますが、これを確保しなければ、政党要件を喪失し、国政政党としては存在できなくなってしまいます。その意味で社民党にとって崖っぷち、瀬戸際の選挙です。 憲法が大切だと、当たり前に訴え、平和と福祉が大切だと当たり前に言うことができる社民党はこの社会に必ず必要だと、支持をお願いしているところです。石にかじりついてでも120万票獲得、これは今回の選挙で陣頭指揮を執っている私に課せられた役割です。精いっぱい頑張ります。ご清聴ありがとうございました。