グレーゾーンは一生続くわけではない。生活習慣の見直しが症状をグッと抑える
---------- 近年、「発達障害」といわれる子どもが急激に増えています。「発達障害」の言葉が広まった結果、大人が理解できない子、大人の期待どおりに育っていない子、扱いづらい子などが、「発達障害」ではないかと疑われていないでしょうか。「発達障害のような症状」が現れる原因はどこにあるか、今の困りごとへはどう対処するか、どう育てていけばよいか、をくわしく解説した『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』から、いくつかの章をご紹介します。 ---------- 【続き】「子どもを人生の生きがい」にすることで起こる親子の悲劇
対応しだいでグレーが濃くも薄くも
睡眠不足はなく、生活リズムが整っているのに、「発達障害」の症状がみられる子どもがいます。 気になる症状は生後まもなくからあったので、親は「発達障害」ではないかと医療機関を受診しますが、診断基準を満たさないので、「発達障害」とは診断されないことがあります。こういった子どもは、「発達障害」のグレーゾーンといわれます。 ■グレーゾーンとは 「発達障害」の症状がみられるけれど、診断がつけられないものを「発達障害」のグレーゾーンといっています。「発達障害」は生来のものなので、乳幼児期からなんらかの症状があり、その症状による生活への支障が、大きいとグレーの色が濃く、小さいとホワイトに近くなります。
グレーゾーンは一生続くわけではない
親は悲観しないでください。グレーゾーンといわれても、一生続くわけではないからです。適切な支援によって、生活への支障はゼロに近づけることができます。 「発達障害」は、周囲に適応できて、本人が困らないのなら、診断は必要なくなります。グレーゾーンなら、本書で述べるような生活改善をすれば、ほとんど支障がなくなることが期待できます。たとえ「発達障害」の診断を受けても、生活改善をすれば、困りごとは減るでしょう。 ■本人の困り度が重要 「発達障害」かグレーゾーンか、診断がつくかつかないかより、本人が生活の場で、どのくらい困っているかが重要です。グレーゾーンの子どもは、なにかに困っていることがよくあります。 ・「発達障害」のような症状 乳幼児期から気になる症状があった ↓ ・適応できない 集団に適応できず、とくに小学校に上がってから、授業についていけなかったり、孤立したりする ↓ ・本人も困っている 理由はわからないのに支障が頻発し、本人も困っている ↓ ・問題行動になることも ケンカなどのトラブルを起こすこともある。トラブルを起こすと「困った子だ」と大人は思いがちだが、実際には本人が日ごろから困っているのかもしれない 続きは<子どもの人生は親のもの…? 「子どもを人生の生きがい」にすることで起こる親子の悲劇>で公開中です。
成田 奈緒子(発達脳科学者)