45回目で初めて「ミニバンが単体受賞」 ホンダのコンパクトミニバン「フリード」が“今年を代表するクルマ”に選ばれた理由とは
45年の歴史を持つCOTYで初めてミニバンが単体受賞
“今年の1台”を決める日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下、COTY)。2024-2025シーズンのイヤーカーはホンダ「フリード」に決定しました。 【画像】「えっ!…」これが“今年を代表するクルマ”に選ばれたホンダ「フリード」です(30枚以上)
COTYの実行委員会は、「フリード」の受賞理由について「5ナンバーサイズで3列シート。日本市場で重用されるファミリーカーゆえ、これまでは突出したキャラクターを生み出しづらかったことも事実。ホンダはそこに切り込んだ。居住性、使い勝手の良さに磨きをかけるとともに、動的質感の向上、ひいては操縦の喜びをも加味することに成功した。ガソリンエンジンモデルに加え、ホンダ独自のハイブリッド『e:HEV』を加えたことも大きな魅力のひとつ。ホンダが大切にしているM・M(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想を見事現代に体現した1台である」としています。 COTYは日本国内で発表された新型車の中から“年間を通じて最も優秀なクルマ”に与えられる賞ですが、45年という長い歴史の中でミニバンが単体で受賞したのは今回が初めて。そういう意味で、今回の「フリード」の受賞により、日本の自動車界では新しい時代の扉が開いたといってもいいでしょう。 そんなCOTYの選考委員を拝命している筆者(工藤貴宏)もまた、「フリード」に票を投じたうちのひとりです。 選考基準は選考委員ごとに異なりますが、評価軸は大きく分けてふたつあると筆者は考えます。 ひとつは“その年の記念すべきクルマ”を選ぶというもの。例えば過去には、トヨタの初代「プリウス」(1997-1998)や「iQ」(2008-2009)、日産「リーフ」(2011-2012)などが選ばれていますが、それらは時代に名を残すエポックメイキングな存在として選ばれたものといえるでしょう。 そしてもうひとつは、ホンダ「シビック」(1991-1992、1995-1996、2000-2001)、日産「マーチ」(1992-1993)、トヨタ「ヴィッツ/プラッツ/ファンカーゴ」(1999-2000)のように、実用性から価格設定まで含めたトータル性能の高さで選ばれるもの。 今年度の「フリード」は、間違いなく後者の基準で選ばれたモデルといえるでしょう。