愛犬の気持ちがわかる「イヌパシー」、愛犬が感じるストレスをわかってあげたい
【ペット×テック】「愛犬の気持ちを知りたい」。これは私が犬を飼っていたときに感じた率直な気持ちです。散歩が好きな子でしたが、家族全員の仕事の都合で散歩に行けないとき、どう感じていたのでしょうか?いや、そもそも散歩好きというのも私たちの勝手な思い込みなのかもしれません。朝と晩の1日2回の散歩は正しかったのでしょうか?最近ではそんな愛犬の気持ちがわかるデバイスが登場しています。 ●20数年前にあった「バウリンガル」 「愛犬の気持ち」という言葉を聞いて思い出されるのが「バウリンガル」です。バウリンガルとは、2002年に発売された、犬の声紋分析から生まれたコミュニケーションツールで、犬の感情を分析できるなどの機能を備えた携帯ツールでした。 20数年前のことなので不確かな部分もありますが、当時、家電量販店の店長だった私は、製品発表の案内文を見て「これは売れる」と確信しました。商品の確保を早い時点で打診しましたが、本部商談などの絡みで入荷が叶いませんでした。 国内外で約30万個が販売されたといわれ、犬とのコミュニケーションを望むニーズは昔から根強いものがあるようです。 ●愛犬のストレスをわかってあげられれば、絆はさらに深まる 昔、私が犬の散歩をしていたときに、仲良くしていた犬がいて、今も公園で見かけると必ず近寄ってきてくれます。そこで、飼い主さんにバウリンガルの話をしてみました。すると存在を知っておられ、他にも懐かしい話に花が咲きましたが、最近では「イヌパシー」が気になっていると言われていました。 「イヌパシー」とは、世界で初めて心拍の情報から愛犬の状態を可視化する技術を搭載したデバイスです。このデバイスは、色と光り方で「リラックス」「ドキドキ」「ハッピー」「興味」「ストレス」といった犬の五つのメッセージをリアルタイムで伝えてくれます。 飼い主さんによると、「夏場は暑さを避けるため、仕事や家事の都合で散歩の時間が頻繁に変わり、ストレスになっていないか、どの時間帯が良いのかが知れると便利だから」とのことでした。 この話を聞き、私は愛犬が他の犬に耳を噛まれてから、散歩中に他の犬と戯れるのを意図的に避けてきましたが、「当の本人(愛犬)はどうなんだろう」と気にしていたことを思い出しました。 ある程度でも犬の気持ちがわかれば、「よかれと思って行った押し付け」がなくなり、さらに深い絆を築くことができたでしょう。 愛犬を亡くしてから「我が家で幸せだったのだろうか?」と常に思っているのですが、イヌパシーがあればそうした疑念を持たずに済んだかもしれません。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希) ■Profile 堀田泰希 1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。