稲にも〝日焼け止め〟人肌用の成分が効果 米中研究グループ
人肌用の日焼け止めの成分でもある酸化亜鉛を微細な粒子にして水稲の株に散布すると、高温に強くなることを中国と米国の研究グループがまとめた。酸化亜鉛がない場合に比べて、葉の光合成が活性化され、収量も多くなるという。 研究グループは、酸化亜鉛のナノ粒子(径30~80ナノメートル、1ナノメートルは1ミリの100万分の1)を葉面散布した水稲を、37度の高温で栽培。酸化亜鉛がない場合よりも、子実収量は22%、アミノ酸含量は78%それぞれ増加した。葉面上の酸化亜鉛は細胞内に取り込まれていた。光合成に必要なクロロフィル(葉緑素)含量と酵素の一種であるルビスコの活性はいずれも20%以上高くなった。 葉面には作物にとって有用な微生物がいるが、それらも酸化亜鉛によって高温から守られていたことも分かった。37度という極端な高温環境の栽培では、酸化亜鉛が重要な役割を果たす可能性があるとまとめている。 研究成果は国際科学誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。
日本農業新聞