見えないものを可視化するヨシロットン。その師と共に作品を振り返る
4.メンヒル
地球のいろんなところにある巨石=メンヒルをモチーフとした作品。 〈tranthrow〉で使用したセンサーを<グリーンスキャナーとシルバーの岩>に設置し、展覧会場の光をスキャン/可視化するインスタレーションを、シラス(火山灰土)に埋め、2000年前の屋久杉や地元の軽石と並べています。 「会場であるアートの森の天井は光を通すので、その時間帯や天気によって作品の表情が変わります」 by YOSHIROTTEN
5.グリーンスキャナーとシルバーの岩
「特別企画展 ヨシロットン展 FUTURE NATURE Ⅱ in Kagoshima」会場の中でも一際目立つ巨大な作品。 メタリックシルバーの巨大岩に投影されるのは、スキャナーが放つグリーンの光。他にも天井の光や、隣接した<宙の窓 -霧島百景->の光を反映し、その表情を刻一刻と変えていきます。 「このグリーンの光は、2016年にペルセウス座流星群のピークに近い時期、アンドロメダ銀河に現れた流れ星の色です。シルバーの岩は目に見えている部分だけじゃなく、床に埋まっているイメージです」 by YOSHIROTTEN
6.宙の窓 -霧島百景-
霧島でのフィールドワークをカタチにした、約100枚のイメージをまとめた約50分の映像作品。それらを巨大な3つのスクリーンに投影する作品です。 ハンドスキャナーによる石や地面などのスキャンニングのほか、写真撮影、音のレコーディングが組み合わされた作品群の前を、時折<シルバーの石>が横切ることで、3つのスクリーンが窓であることがわかる仕組み。 「フィールドレコーディングの素材をもとに約40分の音楽を作ってもらったのですが、美術館の監視員の方が気持ちよくて眠ってしまうこともあると聞きました(笑)」 by YOSHIROTTEN 土井コメント: 今回の展示で最初に圧倒されたのは、3つの巨大なモニターで展示されている「宙の窓」です。大きさそのものが持つ力強さに圧倒されました。特に真下に立ち見上げると、吸い込まれるような感覚でトリップ感が得られます。 大きいものが作れるのもその人のパワーであり、彼のエネルギーそのものが表れている作品でした。 まるで巨大なサンドピクチャーに身を投じるような体験に、時間を忘れて引き込まれてしまいました。