尹錫悦大統領の支持者ら、公邸周辺に集結 「弾劾反対」と抗議
韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳」の宣布をめぐり、尹氏を内乱などの容疑で捜査している高官犯罪捜査庁(高捜庁)の検事らが3日早朝、尹氏を逮捕するためソウル郊外にある庁舎を出発し、大統領公邸の近くに到着した。公邸周辺では尹氏の支持者らが早朝から集結。公邸周辺には警官隊が投入され、警戒に当たっている。 【写真】大統領公邸に集まる尹氏の支持者ら 警察は公邸の正門がある幹線道路沿いに多数のバスを「壁」のように並べて停車させ、支持者らが公邸の方向に進入できないように警戒。支持者らは「国軍統帥権者を逮捕することが内乱の行為だ」「弾劾反対」などと書いたプラカードを手にして、「高捜庁、廃止!」「高捜庁、反対!」と叫んでいる。 国会は2024年12月14日、戒厳令の宣布は違憲だとして、尹氏に対する弾劾訴追案を可決。尹氏は大統領の職務停止となった。だが、身辺警護などの特権は保持し、ソウル中心部に近い大統領公邸で生活している。高捜庁による逮捕状の執行に対し、尹氏の周囲を守る大統領警護庁の職員らが抵抗し、衝突が起きる懸念も生じている。 韓国の現職大統領が逮捕されれば史上初めて。大統領は憲法で不訴追特権が保障されているが、内乱罪は例外となっている。【ソウル日下部元美】