自動車メーカーの老舗 日産の行方 <後編>
メディアの間では厳しい見方のある日産ですが、GT-RやフェアレディZなど、世界に誇れる財産があるのもまた日産です。EVにおいては国内市場に限ればトップランナーの位置にあり、全固体電池開発などの電動化、知能化の分野でもその技術は決して侮れるものではありません。 経営面では1999年の経営危機をルノーとの資本業務提携で乗り切り、その後、三菱自動車とも組み、3社によるアライアンス(提携)を結んでいます。さらに、かつてはルノーが支配的にあった資本構造は、両社の出資比率がともに15%と対等な関係になりました。 一方、創業から90年あまり、日産はかつて1960年~70年代にかけ、プリンス自動車工業との合併、くろがね、コニーといったブランドを持つ企業を傘下に収めてきました。いわば“合従連衡の歴史”でもあります。当時は通産省(現・経済産業省)が自動車メーカーの乱立を避けるために主導したとされています。 2030年には自動車産業の構図は一変しているのか?日産のこれからの1年が注目されます。 (了)