ダチョウ倶楽部から“どうぞ、どうぞ” 天心 将来の武居戦「必ずやります」初めて前向きに発言
ボクシング転向5戦目でWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者に輝いた那須川天心(26=帝拳)が6日、都内で公式アンバサダーを務めるスカルプDの発表会にお笑いユニット「ダチョウ倶楽部」とともに参加した。イベント後にはWBO世界同級王者の武居由樹(28=大橋)との対戦の可能性にも言及し、将来的な対戦を見据えていることを明言。来年秋には世界初挑戦も予定されており、まずは自身の評価を高めていくことを強調した。 新王者になったばかりの那須川がダウン寸前まで追い込まれた。先月14日に転向後初のベルトを獲得して以来の公の場。登場するなり「聞いてないよぉ~」「バカ?はは~ん、バカだなぁ」のネタを次々と披露するダチョウ倶楽部に「全然ついていけない…」とたじたじだったが、ここからの間合いの詰め方はさすがの神童だった。 シャンプー実演では頭皮マッサージ体験を拒否。すかさず「じゃあ俺がやる!」と挙手した肥後克広に寺門ジモンも続くと「え~」と苦笑いを浮かべながらも手を挙げて“伝統芸”「どうぞどうぞ!」を引き出した。顔面を泡まみれにされ、もん絶しながらも、さすがのリアクションでエンターテイナーぶりを発揮。「逸材見つけたよ」と寺門からのラブコールを受けるなど、最後は一緒に「ヤーッ!」も披露した。 もちろん、本業では相手にペースを渡さない。来秋には世界初挑戦となる見込みで、当初予定された10戦目より早い8戦目以内での挑戦が濃厚だ。「だからこそ(世界戦までの)2、3戦で結果を出さなければいけない。常に試されているという緊張感を持ちたい」と連勝はもちろん、周囲を納得させる内容を出し続けるつもりだ。 その世界戦では、同じキック出身の武居戦も現実味を増す。武居からは早期対決のラブコールを受けながら、これまでは「聞いてないよぉ~」とばかりに時期尚早の姿勢を貫いてきたが、この日は「必ずやりますので。ご安心ください」と初めて前向きに話した。ダチョウ倶楽部とも互角に渡り合った神童が、いよいよ来秋のエンターテインメントに向けて動き出す。 (伊東 慶久) 《新王者の次戦 来年2月有力》 那須川の次戦は来年2月ごろが有力で、既にジムワークも再開した。前戦では格闘技人生で初めて左目上をカットしたが「しっかり閉じたので全然大丈夫」と順調な回復ぶりをアピールした。年末には米ラスベガスでのスパーリング合宿を行う構想もあり「これまでは(攻めに)来る相手に対しての対応がメインだったが、今後は自分から仕掛けたり、来ない相手をどう攻めるかを練習していきたい」と頼もしかった。