出会った当初は新入社員と役員、15歳差の経営者ふたり
サザビーリーグ アイシーエルカンパニー Presidentの高下泰幸氏と、アンティル代表取締役の桂俊成氏。15歳離れた経営者ふたりのエピソードを紹介。 【写真】高下泰幸氏と桂俊成氏、対談の様子
新入社員と役員
桂 初めてお会いしてから、もう10年が過ぎたんですね。 高下 出会った当時の桂くんは入社したてだったよね。 桂 はい。クライアント先の役員から東大出身の体育会系で頭がキレキレの人だから、と聞いていたので、これはやばい、と思っていました。 高下 PR業務を依頼するのに、最強チームを編成してほしいと伝えたら、新入社員で最も生きのいいのを連れてきました、と紹介されて。 桂 僕も体育会系だったからかもしれません。高下さんはアメフト、僕は野球ですけど。 高下 でも、新入社員らしからぬ雰囲気があった。愛想笑いとか、まったくしないし(笑)。 桂 高下さんこそ、若手扱いなんて、まったくなかったです。 高下 一生懸命、話を聞いてくるし、これは芯のありそうな奴だな、と思って。 桂 実は打ち合わせのたびに胃がキュルキュルしてました。 高下 でも、そういうのはまったく見せないから。 桂 一生懸命、プレゼンを練習して行ったんです(笑)。 高下 忘れられないのは、コミュニケーションミスによるエラーが起きた時。 桂 すぐに高下さんに電話を入れたんですが、出張で福岡にいらっしゃるタイミングで。東京へ戻る時間を確認しました。 高下 それで最終便で羽田空港に着いたら、到着出口で桂くんがひとりで待ってた。 桂 顔を見て謝罪したかったのと、状況を直接お話ししたくて。そうすれば、早く対応ができますから。実は1時間ほど、空港で待っていました。 高下 びっくりしたし、義理堅いな、と思った。ロジックだけじゃなくて、ちゃんとパッションも持ってる男だな、と。信頼感は一気に高まった。 桂 あの時、食事もご馳走になって、いろんな話をして。 高下 それから、どんどん出世して若くして社長になって、桂くんの見る景色が変わっていくのが面白かった。私も何度か転職して、ここぞという時にPR業務をお願いして。お互い立場は変わるけど、いい距離感で、いつも刺激がもらえた。 桂 僕はたくさん勉強させてもらいました。読むべき本を教えてもらったり、いいチームの作り方のヒントをもらったり。 高下 一緒に飲んでも昔話で盛り上がるんじゃなくて、今と未来の話ばかりするのがいい。 桂 未来をめぐる熱い会話、とても楽しいです。