2025年度の新しい共通テストは「時間との闘いになる」 変更点と対策は?
●数学:数学②が1問増えて10分延長
数学Ⅰは従来通りですが、数学②に数学Ⅲ、数学B、それに数学活用の内容を一部移行した「数学C」を新設します。さらに数学②の問題が1問増えて試験時間が10分延長され、数学Ⅰと同様に70分になります。 「数学も共通テストになって以降の『重厚長大化』の流れによる変更です。ただし、試作問題が公表されていないので、どのような問題が出るかはわかっていません。出題側の意図としては、問題数を増やして受験生に考えさせたいのだと思います。時間も増やすことで、じっくりと考えてほしいという狙いもあるのでしょう」 数学は、共通テストに変わってから、問題文が長文化しています。図やグラフなどの資料も多用され、数学的な力だけでなく、何を問われているのかや、答えを導くためのポイントとなる情報は何かを読み解く力が必要になっています。
●理科:センター試験を受け継ぐ内容
これまでは理科①と理科②で試験時間が分かれていたのが一本化されます。共通テストに「情報」という新しい教科が追加されることにより、時間割を整理する必要が出たための措置と考えられます。出題教科・科目に変更はありません。 「新課程になって各教科に変化がありましたが、理科は他の教科に比べて変化が少ないと言えます。ですから旧課程時代の共通テストや、センター試験の過去問や問題集でも、十分に対策できる内容です」
●英語:1分あたり120語以上のスピードが必要
試作問題を見る限り、「リーディング100点(80分)」「リスニング100点(60分)」の200点満点という配点や出題形式などに変化は見られません。 一方で、会話文から立場の異なる5人の主張を整理し、自分の考えを正しい構成でエッセーにまとめる問題だったり、リスニングの題材が学生同士のディスカッションだったりと、ライティングとスピーキングの統合をより意識した出題になりそうです。 また、リーディングは「A問」だけでも単語数が1300語を超えます。80分の試験時間内に6000語を超える問題を読み解くには、1分あたり120語から150語のスピードで読む必要があります。