「使っていないときも心地よい」パナの新キッチン 魚焼きグリル「なし」
パナソニック ハウジングソリューションズは、キッチンとバスルームの製品デザイン・体系を刷新。特に普及価格帯を刷新し、新たに「S-CLASS」として展開する。これまでより価格を抑えつつ、従来高級価格帯でしか実現できなかったデザイン性を取り入れた。2025年2月より受注を開始する。 【この記事に関する別の画像を見る】 製品名も改め、顧客にわかりやすいよう「Panasonic KITCHEN」「Panasonic BATHROOM」に変更。シリーズ共通で従来より基本価格を約7~15%抑え、必要な機能に絞って展開する。キッチンの収納パーツや浴室の鏡などが省略されており、顧客の希望にあわせオプションとして追加できる。 今回のリニューアルについて、パナソニック ハウジングソリューションズ 水廻りシステム事業部 統括担当 窪井 健司氏は「パナソニックが10月に実施した暮らしに関するアンケートの結果から、生活者はコロナ禍を経て自宅での暮らしへの関心が高まっていることがわかりました。自宅で暮らすなかで『自分に必要なものとそうでないものを見直した』と回答した人は多く、新商品を企画するにあたり、キッチンやバス空間において本当に必要不可欠なものはなにか、こうしたものを見直すことにしました」と説明した。 ■ 必要な機能を暮らしに応じてカスタマイズ Panasonic KITCHENでは、従来ミドルクラスとして展開していた「ラクシーナ」を「S-CLASS」に刷新。高価格帯の「L-CLASS」も引き続きラインナップし、2つの製品体系で展開していく。 使っているとき(ON)と、使っていないとき(OFF)、どちらの場面でもストレスを意識することのない使いやすさと心地よさを追求。ONの使いやすさは機能性を重視し、直感的な操作を実現した。 S-CLASSに搭載する機能は、3口横並びの「ワイドコンロ」や、汚れがつきにくく落としやすいスゴピカ素材の「ラクするーシンク」、大容量でヒーター乾燥もできるフロントオープンタイプのビルトイン食器洗い乾燥機への対応など。これまで高級価格帯でしか実現できなかったデザイン性も、「S-CLASS」に新たに取り入れた。 なお、ワイドコンロはIHとガスを用意し、いずれも魚焼きグリルがない「グリルレス」仕様で、従来のグリル部分は収納スペースとなっている。魚焼きには「グリルパン」を別途用意する。 S-CLASSの基本価格(エッセンシャルプラン)は、118万5,400円~で、従来プランより約13%ダウン。これまで標準装備だった収納パーツなどはオプションで追加できるようにし、暮らしに応じてカスタマイズできる。 L-CLASSの基本価格(エッセンシャルプラン)は、140万8,200円~で、従来プランより約10%ダウン。L-CLASSはプランニング自由度がより高く、特注対応も可能としている。また、S-CLASSのワイドコンロは3つの鍋が同時に使えるが、L-CLASSでは4つの鍋が同時に使える「マルチワイドIH」にも対応する。 新製品として、フロントオープンタイプのビルトイン食器洗い乾燥機に幅450mmが登場。2023年12月に幅600mmを発売して好評だったことから、コンパクトなキッチン間口にも搭載しやすいように、今回450mmを発売する。約9人分のまとめ洗いに対応し、ヒーター乾燥搭載で洗浄後もしっかり乾燥できる。 このほか、ガスタイプのワイドコンロ「トリプルワイドガス」において、価格を抑えたブラックプレートタイプが新たに登場。ガラストップのブラック天板が濃色カウンターと相性が良く、コーディネイトの幅を広げられるという。 ■ キッチンを使っていないときの心地よさ 使っていないとき(OFF)のこだわりは、デザイン性という観点から視覚的な心地よさを追求。カウンターとコンロの段差が少なくフラットに納まり、カウンターとシンク、排水口までをシームレスにつなぎ、扉の色柄などデクスチャーをリンクさせて統一感を演出した。 「料理をした後に後片付けをどうするかというのもそうですが、食事をしているとき、リビングでくつろいでいるときなど、キッチンを使っていないときも生活の隣にシステムキッチンがあると私たちは考えています。このキッチンを使っていないときの役割も今回改めて問いただしました」(窪井氏) ■ 鏡もカウンターもないバスルーム Panasonic BATHROOMも、機能を絞って基本価格を抑えた。浴室の鏡やシャンプー類を置くカウンターを省略し、希望にあわせオプションとして追加できる。浴室の壁はマグネット式で、市販のマグネットボードなどを取り付けて収納棚にすることも可能。 ON(使っているとき)の機能面では、天井中央に照明を埋め込んだ「フラットラインLED照明」。使うときに隅々まで明るく照らし、見えやすい点を特徴としている。 浴槽はキッチンのシンクと同じくスゴピカ素材で、素材自体が汚れを弾くため掃除が楽にできるという。また、シャワーヘッドにはお掃除モードの「ビームシャワー」を搭載。パワフルな水流で汚れを洗い流す。 OFF(使っていないとき)のデザイン性は、天井と浴槽側面のエプロン、水栓の色柄をリンクし、統一感がある空間を演出。フラットラインLEDは、1本の線のような光がノイズレスに空間に溶け込むという。床の端には目地がなく、排水口部分までシームレスにつながり、掃除が楽にできる点が特徴。 新製品は、バスルームでブラックコーディネイトができるよう、天井・壁・エプロン・ドアに新柄を追加。洗練された空間を演出する。また、ビームシャワーは省エネ性の高い手元止水タイプを新たにラインナップした。 基本価格(エッセンシャルプラン)は、ベーシックタイプのOfloraが115万8,000円~で従来プランから約7%ダウン。入浴スタイルを別提案できるBEVASは、122万円~で従来プランから約15%ダウン。特注可能なL-CLASSは、169万円~で従来プランから約14%ダウン。
Impress Watch,西村 夢音