オレみたいになるな!9浪で早大合格の男が説く、大手塾に活路を求めて「しくじる多浪生」の末路
● 新経営者が断行した 受験生泣かせの「改革」とは? 新たな経営者は黒字体質に転換するべく、予備校の方針も180度転換しました。経営者自身が講義を持つことで人件費を抑えつつ、「論理的思考を身につければ、大学に行く意味がない」と生徒にアピール。大学進学を目指さず、「地域で通用する人材」を育てる塾にシフトしたのです。 言い換えると、大学進学を目指す上位層が集まらなくなったので、地元での就職を目指す下位層にターゲットを変えました。そして、この路線変更を地域住民に周知するべく、さらなる赤字覚悟で過激な広告を展開。下位層に訴えかけました。結果、たくさんの入塾者を獲得し、見事に経営を改善させました。 しかし、広告費用を回収するために進路指導がなくなり、集団・個別授業の質は低下。元から在籍していた優秀層には物足りない内容になったのに、授業料は値上げされました。こうして、上位層の親御さんと生徒に皺寄せがいき、大学進学の予備校として完全に終わってしまったのです。 この例は少々特殊なものかもしれませんが、皆さんも過激な広告を見かけたら「どんな層をターゲットにしているか」といった裏事情を考えてみると、ハズレの塾・予備校に通うリスクを減らせるはずです。 中小規模の個別指導塾の中には、広告をあまり出していなくても、口コミで評判が広がり、地域に根付いているところが必ずあります。そこの説明や体験授業を受けて、本当に生徒に配慮した指導をしてくれるのか、自分の目で確かめた上で入塾するようにしましょう。そうしたアタリの個別指導塾は、とてもコスパがいいのでオススメです。
濱井正吾