オレみたいになるな!9浪で早大合格の男が説く、大手塾に活路を求めて「しくじる多浪生」の末路
● 塾・予備校の「広告」を見れば 授業の質も分かる!? というのも、塾・予備校の経営において、特に大変かつ重要な課題が「生徒を集めること」です。ブランド力や歴史で劣る後発組からすると、集客するために広告に力を入れるのは有効な施策です。 みなさんも、テレビ・新聞・YouTube・公共交通機関などで、ふと予備校の広告が目に止まることがあるでしょう。その中には、常識に異を唱えて「受験に○○はムダ!」「偏差値○○だった生徒がコレをやるだけで難関大合格!」といった過激な文言を載せているものもあります。 これらを何度も何度も目にする中で、自然とその文言に惹かれて「通おうかな」「子どもを預けようかな」と考える方もいるでしょう。 しかし、そうした広告を打っている中小の塾・予備校には、次のような落とし穴が潜んでいるかもしれません。 ・過激な広告を打たないと集客できない(=口コミや紹介では生徒が集まらない) ・売上高に占める広告宣伝費の割合が高すぎる ・広告宣伝費を捻出するために、人件費を抑えている ・そのため講師の質は意外と低く、広告でうたっているほど画期的な授業ではない ・それなのに授業料が高い これらに目を向けず、過激な広告を信じて「とりあえず、ここに通えば安心」と思考停止してしまう人は、大手を選んで失敗する人と同じになってしまいます。 参考までに、「過激な広告」にまつわる私の体験談を最後にお話しておきます。東京都内や関東圏の事例ではないのですが、反面教師にしてもらえると幸いです。 かつて私がいた山間部の予備校では、その地域にある難関国公立大学の志望者を対象に、集団指導と個別指導の両方を実施していました。良心的な値段と献身的なサポートで、親御さんからも生徒からも非常に評判が良い予備校でした。 しかし、人口が減り続ける過疎地域で、難関大学を目指す上位層を集客するビジネスに限界が来てしまい、年々入塾者が減少。赤字が膨らみ、経営者が交代することになりました。