ジャニーズの常識覆す「タイプロ」異例ヒットの背景 放送前は「ジャニーズの伝統壊す」批判も…timelesz“前代未聞のオーディション”の全容
■“ただのイケメン”ではない者はどれくらいいるのか 筆者としては、ジュニア経験のない者がデビュー組のメンバーに加わるという前例を見たことがない。それゆえ、このtimeleszの試みがどうなっていくのか怖くもあるというのが正直なところであった。 だが、少なくともこの番組はとても面白い。ジャニーズのファンである自分が見て、「ジャニーズとは何か」がよりわかっていくような気がするからだ。 「ジャニーズが好き」と言うと「イケメンが好きなの?」と聞かれることが多い。だが、まったくもってそういうことではない。もちろん、ジャニーズのアイドルはイケメン揃いだが、イケメンだから好きになったわけではないのである。
今回の候補生は2次審査の時点で既に応募総数18922名から350名に絞られているだけあって、世間的にはイケメンとされる人たちだらけである。だが、その中に、“ただのイケメン”ではない者はどれくらいいるのだろうか。 共に戦う仲間を3人が真剣に探していく過程の中で、視聴者は図らずも、timeleszの3人が“ただのイケメン”とは一線を画していること、これまでジャニーズとして生きることで背負ってきたもの・身につけてきたものの大きさを感じることとなる。
ジャニーズアイドルとは“生まれてくる”ものなのか。それとも、努力で“なる”ものなのか。“ジャニーズ事務所”がなくなった世界の中で、「ジャニーズとは何なのか」が炙り出される。
霜田 明寛 :ライター/「チェリー」編集長