【注目ドライバー】メルセデス3年目、再び表彰台の頂点を目指す…未来のチャンピオン候補ジョージ・ラッセル|メルセデス|F1
競争力の劣るマシンで奮闘
ロバート・クビサをチームメイトに戦ったF1でのデビューシーズン、2019年は競争力の低いウィリアムズのマシンで奮闘するも、ライバルチームとの争いは苦戦を強いられた。ほぼすべてのレースでテールエンダーが定位置になりながらも、F1優勝経験を持つベテランの同僚に対しても、常に上回る速さを見せた。そのため、ラッセルの評価が下がるようなことはなかった。 2020シーズンは、ルーキーのニコラス・ラティフィをチームメイトに迎えた。ラッセルは下位チームながら目に見える奮闘を見せ、ウィリアムズのマシンを駆って予選では9度に渡ってQ2進出を果たした。
2020年第16戦はメルセデスからスポット参戦
そして改めてその実力を示したのは第16戦サクヒールGPだ。このレースの直前、メルセデスのルイス・ハミルトンが新型コロナウイルス陽性となったため、レース欠場が確定。メルセデスはジュニア・ドライバー・プログラム育ちのラッセルをスポット参戦で起用することを公表。一方でウィリアムズはF2参戦中のジャック・エイトキンをラッセルの穴埋め役としてレースに送り出した。 ラッセルはチャンピオンマシンに乗り、サクヒールGPでは金曜から土曜にかけてのフリー走行でトップタイムを連発。だが予選では僅差でバルテリ・ボッタスに敗れ、2番手スタートとなった。なお、ラッセルがF1キャリアにおいて、予選で同僚に敗れたのはF1キャリア37戦目でこれが初のことだった。 決勝ではオープニングラップでボッタスを抜き、以降はラップリーダーとしてレースをリード。あわや初優勝かとも思える状況だったが、終盤に起こったまさかのピットミス+タイヤのパンクという不運の連続で順位を大きく下げ、そこからオーバーテイクを連発するも9位でレースを終えた。2ポイント+ファステストラップの1ポイントを奪取し、これがラッセルにとって2020年までで唯一のF1キャリア入賞だった。
2021年は最下位争いの立ち位置から浮上
ウィリアムズで3季目となるラッセルは力で劣るマシンでありながらも、何度となく予選Q3に進出し、非凡な才能を示した。過去2シーズンは最下位争いがほぼ定位置だったものの、2021年はアルファロメオ、ハースよりもポテンシャルがあることを予感させていた。 ラッセルが最も輝きを放ったのは、土曜の予選と日曜の決勝、どちらもウェットコンディションとなったベルギーGPだった。多くのドライバーが路面のグリップに苦しむ中、ラッセルは全体トップタイムをマーク。最後のアタックでマックス・フェルスタッペンに最速タイムを塗り替えられたが、ラッセルは予選2番手で土曜のセッションを終えた。 日曜はより強い雨になったことから、追い越し禁止のセーフティーカー先導でレースは進み、2周を終えた段階で決勝は終了となり、ハーフポイントながらラッセルは初の2位フィニッシュを果たした。 ラッセルは5度の入賞で16ポイントを手にして、ドライバーズランキング15位でシーズンを終えた。そしてメルセデスはバルテリ・ボッタスとの契約を更新せず、2022年からラッセルをメルセデスのレギュラードライバーとして迎え入れることを発表した。