「相続と生前贈与」で失敗しないために「家族会議」は必須 どのように進めるか専門家が解説 「1回だけでは足りない」「切り出すのは親から」「遺言書を残すだけでは絶対NG」
家族会議の「招集」は親から
神奈川県に住む高橋修一さん(56才・仮名)は、2人の姉を持つ末っ子長男。家族会議をしていたことで、母の財産を円満に相続することができた。 「2人の姉は海外で暮らしています。晩年まで同居していた母は、家族が最後に集まったときに”面倒を見てくれた長男の修一夫婦に、すべての財産を相続させたい。姉2人は相続を放棄してほしい”と、遺言書を作成したことを話してくれたんです。 姉たちは“墓も仏壇も引き継いでくれるなら、むしろありがたいくらいよ”と、感謝の言葉とともに、相続を放棄しました。母が意思を話しておいてくれたおかげで、姉たちとはいまも仲がいいままです」 高橋さん一家は、もともと家族仲がよかったことも幸いし、円満相続となった。三原さんが言う。 「家族仲がいいことは、相続に大きく影響します。反対に、家族会議をしなかったことで、せっかく仲がよかった家族がこじれるケースはいくつもある。元気で仲がいいうちに話し合っておくことが重要です」 専門家たちは、「家族会議は、子供ではなく親が切り出すべき」と口を揃える。 「子供から”相続について話し合いたい”とは切り出しづらいもの。場合によっては”早く死んでほしいということ?”と、あらぬ誤解を生んでしまうこともあります。 親の方から“健康診断がよくなかったから”“雑誌の特集が気になって”など、家族会議を開こうと思ったきっかけを共有するところから始めてもいいでしょう。大切なのは、家族全員が納得して会議に参加できるようにすることです」(太田さん) 年末年始の帰省で親族が集まるこの機会に、「わが家のこれから」について、ぜひ話し合ってみてほしい。 ※女性セブン2025年1月2・9日号
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