「ブラック企業は排除されても、管理職はブラックに働いている」Z世代の新卒社会人から見た管理職の姿
舟津:あるあるだとは思いますけど、難しいですよね。そもそも選考に関係ないのであれば別に聞く必要がない。ただ配属に関係あると言ってしまったら裏読みしちゃうし、「言質」をとってしまうから、あえてそうじゃないと言っていると。 鳥羽和久さんと対談したときに出た話として、今の社会って裏読みを求める社会ですよねと。「口には出していないけど、本当はこう思ってるんでしょ」をひたすら察するように求められる。木下さんのお話はすごく象徴的です。ただ、本当に本音しか喋らないとそれはそれで会社的にも困るので、裏読みも必要なことではあるんですよね。確かめられないのが難しいところです。田川さんは、いかがですか。
田川:まず、入社前と後のギャップは制度についてはなかったです。リモートワークができて、残業代がついて、土日祝日は休みでっていう。ただ、木下さんと同じように、断トツで忙しいぐらいの部署に配属されてしまって、取引先に出向くこともありますし、残業も多いというギャップはありましたね。 研修中に人事面談もありましたが、たしかに同期の間でも裏の読み合いがあって、あまり本音は話せませんでした。結局のところ、入社前から部署は決まっていたという噂もありますし。
舟津:お話を聞いていると「配属ガチャ」という言葉が流行るのも、なんとなく理解できます。つまり、配属というのは不透明なルールの中で運用されているゲームなのに「公平ですよ感」を出そうとするから、運だって言わないとやってられないところがあるのかなと。本質は、理不尽な不透明さのほうにあるのかもしれませんね。「会社が勝手に決めてます」とか「あなたの意思とか知りません」って言ったほうがわかりやすいし、納得できるということすらあるかもしれない。
ただ見方を変えると、中途半端だとしてもみなさんの希望を聞こうとしているという点においては、会社側が気を遣っているとも言えますね。実際、ここ最近は若手に対して気遣う傾向が強まっているように思いますが、いかがでしょうか。 ■会社側に気を遣われていると感じるか 田川:それはすごく感じます。実は、もらったばかりの社用PCを電車の中に置き忘れてしまったことがあって。まだ初期設定もしてなかったので、何とかお客さんに迷惑はかからなかったんですけど。時代が違えば一発アウトくらいのことを起こしたのに、部長や局長も「次から気をつけようね」とすごくやさしく注意されるだけで、逆に申し訳なかったです。