26年1月から介護福祉士試験に「パート合格」 厚労省検討会が報告書
厚生労働省は11日、介護福祉士国家試験パート合格(分割合格)の導入に関する検討会で、国家試験の科目を三つに分類し、合格水準に達したパートは翌年度の試験で免除する方針などを盛り込んだ報告書案を示した。2026年1月の国家試験から導入する。 少子高齢化が進展する中、厚労省は40年度末までに新たに約57万人の介護人材が必要と見込んでいる。しかし、試験の受験者は18年の9万4610人をピークに減少しているのが現状だ。 受験者のうち働いているのは8割で、その多くが就労と学習を並行して取り組んでいるという。報告書は受験しやすい仕組みの導入が必要だと指摘している。 具体策として、国家試験の13科目を三つのパートに分け、合格水準に達したパートは翌年度の試験で受験を免除する「パート合格」の導入を挙げた。資格が取れなかった場合、不合格だったパートの学習に注力できるようになるため「受験を目指す人の学習の後押しや資格取得への意欲の維持につながる」(厚労省)。 導入時期は26年1月とし、パート合格の有効期限は受験年の翌々年までとする。合格基準は総得点の6割程度とし、試験科目群すべてで得点があることなど現行と同様とする。 検討会は5月から9月にかけて3回にわたり非公開で議論。関係団体からのヒアリングでは、パート合格を導入することによる受験者数の変化の検証を求める声も出たことから、導入前に検証方法などを検討する。