「200m平泳ぎは自分の種目」岐阜出身・今井月選手、プライドをかけたパリ五輪への挑戦
パリ五輪をかけた、一発勝負の戦いが始まる。 「平泳ぎにはすごく自信を持っている。誰にも譲りたくない、すごくプライドがある種目」そう語るのは、岐阜県出身・今井月選手。移籍、フォーム改造、食事改善、過酷なトレーニングなど、五輪出場に向けてコーチと二人三脚で歩んできた月選手。彼女が掲げる“プライド”の裏側には、底知れない努力と強い覚悟がみなぎっていた。 【動画】今井月「誰にも譲らない」
自己ベスト更新!約6年ぶりに日本代表へ
ついに始まった競泳のパリ五輪選考会。100mバタフライでは、高校2年生の新星、愛知県刈谷市出身の平井瑞希選手が五輪への切符を手に入れ、池江璃花子選手が“復活の泳ぎ”で代表内定を勝ち取った。 その池江選手と同い年で親友。平泳ぎで決勝進出を決めたのは、岐阜市出身の今井月選手だ。2021年、東京オリンピック出場を逃し、一時は引退も考えたという今井選手。それでも、“今井月”としてのプライドのため、自分を信じてくれる指導者のもとへ移籍。もう一度、平泳ぎと向き合うことを決めた。
月選手のコーチ・飯塚正雄氏は、「(月選手は)とんでもない才能を持っているので、平泳ぎは本当に天才」と彼女の才能を高く評価。その言葉を意味を証明するかのように、月選手は去年4月の日本選手権で自己ベスト更新し優勝。約6年ぶりに日本代表に返り咲いた。そして去年7月には、初めて平泳ぎで世界選手権に出場。さらに、去年9月のアジア競技大会では銅メダルに輝くなど、月選手にとって“完全復活”の1年となった。
「思い通りじゃなかった」地元・岐阜で明かした本音
去年11月、久々に帰省した月選手。馴染みのマッサージ屋で心身ともにリラックスしたあと、帰りの車中で本音を明かした。世界を経験した2023年。“完全復活”を遂げた1年だったが、月選手からは「(2023年は)微妙だった」と予想外の答えが。 「自分の中では去年1月からうまくいってる感じがなくて。しっくりきてないまま、4月の選考会を迎えて日本選手権はなんとか代表に入れたけど、世界選手権も決勝に進めず、思い通りじゃなかった」と話した。続けて、「やばいなと感じたのは、世界との体格差。小学生が一緒に泳いでるみたいだと周りから言われた」と当時の心境を明かした。