「200m平泳ぎは自分の種目」岐阜出身・今井月選手、プライドをかけたパリ五輪への挑戦
国際舞台を経験したからこそ感じた世界との差。肉体改造を目指し、食事から改善。もっと体を大きくするため、カロリーの多い食生活へと変えた。これまでは試合前に体重を落とし、コンディションを崩すことが多かったという。さらに、ウエイトトレーニングの時間を増やし、筋力を強化。「いま(体重は)58㎏ぐらいあります。世界選手権のときは、52~53㎏しかなくて。(今は)太もも周りが太くなりましたね」と変化した体格について話した。
勝負の1年!ライバルたちとの前哨戦へ挑む
2024年1月2日、東京のプールで練習をスタートさせた月選手。パリ五輪に向けた1年が始まった。初日ということで、泳ぎを確かめながらかと思いきや、早くも全力モード。「今年はパリ五輪の年になるので、人生かけた1年だと思っている。去年よりも自信をもって3月の選考会に臨みたい。そのためにも1月の試合から勝ちぐせをつけていきたい」と2024年への思いを語った。 今年1月21日、その第1弾となる「KOSUKE KITAJIMA CUP2024」に出場。長年、200m平泳ぎを牽引し、代表争いをすることになるライバルたちと今年最初の勝負だ。レースは激しい争いとなり、勝負の行方はラスト5mに託されるほど接戦に。 レースを制したのは渡部香生子選手。月選手は2位となったが、手応えを感じていた。「後半バテながらも体は動いていたので、2分23秒が出るかと思っていたので、このタイムで少し悔しい」と悔しさを滲ませた月選手。しかし続けて、「しっかりいい感覚で泳げたので、いいスタートになった」と前向きな思いで締めくくった。
支え続けた父「娘の水泳を楽しみたい」
岐阜県にある月選手の実家を尋ねると、「いらっしゃいませ!」とビールを注ぐ父・博美さんの姿が。なんと、実家を改築し居酒屋をスタートしていたのだ。8歳の誕生日に母を亡くした月選手を、男手ひとつで育てあげた博美さん。月選手が15歳でリオ五輪出場を決めたときも、東京で生活を始めてからも、試合があると会場に駆けつけ、いつも試合は会場で応援。ずっと娘を支え続けてきた。