なでしこ守屋都弥が明かす内田篤人さんとの代表での有意義な時間。海外への思いも「選択肢が増えた」
「ヨーロッパやアメリカを視野に」
守屋は子どもの頃からの憧れだった内田氏と同じように、海外でプレーしてみたい思いも徐々に強くなっている。それは日本代表といったレベルの高い環境でのプレーが増えたことも影響。自分の力をもっと試したい気持ちが芽生えたのだという。 ――◆――◆―― 今はオファーがあれば、いつでも海外に行こうという考えは数年前から持っています。日本代表に入って、海外から自分を見てもらうことが増えたなかで、その選択肢も自分の中で増えました。 オファーがあればいつでも行く準備はしていて、絶対行かないというわけでもないですし、絶対行くという考えもなく、本当にタイミングだと思います。 私自身、代表に入る前は、韓国のリーグに行こうかと考えていた時期もありました。韓国リーグはレベルアップと言う部分は少ないかもしれませんが、海外の経験はしてみたいと思っていました。 その時は、あまり代表に入れていなかったので、ほかに行ける国が視野に見えてなかった。その分、今は代表に選ばれて声がかかる可能性が上がって、選択肢が増え、韓国よりは、ヨーロッパやアメリカを視野に入れています。 それは個の部分を伸ばしたい思いもあるからで、自チームにはスペインの選手もいるんですが、やはり日本人と海外の選手でクロスへの入り方や強さが違うと感じる。その人に合った早い段階でのクロスなど、それが海外でも通用するのかしないのかが、海外に行ってみないと分からないこともあるので、楽しみな部分でもありますね。
「若手には『ついてきてね』くらいの気持ちでいます」
海外への思いはあるが、もちろん自クラブへの愛も強い。これまでI神戸一筋の守屋は、今季で在籍10年目。自身がチームに何をもたらせられるかを常に考えながら、今シーズン、前半戦を終えて2位と好調のチームを支えている。 ――◆――◆―― 10年目になりますが、アイナックは毎シーズン上位にいるチームですし、国内のほかのチームに行こうという気持ちはないんです。 このチームに入ろうと思ったきっかけも、レベルの高いところでやりたいというのと、環境がいいところでやりたいという2つの理由があったから。環境が良くて上位争いができるこのチームに入れて満足していますし、そのなかで、このチームでひとつでも優勝したいという気持ちで毎年やっています。 女子チームしかないクラブなので、そのなかでファンの方がすごく温かくて、毎試合遠いとこまで(応援に)来てくださいますし、その人たちとより多く喜びたいという気持ちは本当に変わらない。私が入って1年目の時からずっと応援してくださる人が、ワールドカップやオリンピックに行った時に泣いたって言ってくれてる人もいて、そういう人たちをもっと喜ばせたいんです。 チームの自分の役割としては、立場的には周りにあまり声かけて引っ張るタイプではない。どちらかと言うと一つひとつのプレーなどを見てもらって、そこで自分が頑張ってるから頑張ろうと思ってくれたら嬉しいですね。 若手の子ができる範囲で、自分も求めつつ、多く経験を語ることはないんですけど、求めるところのレベルはあまり落としすぎず、「ついてきてね」くらいの気持ちでいます。あまり喋るのが得意なほうではないので、言葉で伝えるよりもプレーで伝えている感じです。 今季のチームの目標としては優勝ではありますし、個人としてはアシスト数を増やしていきたい。まだそんなに多く達成できていないんですけど、そこは後半戦でもっと詰めて、得点も狙っていきたいなと思っています。 ※このシリーズ了 取材・構成●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
【関連記事】
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.47 守屋都弥|「これが自分の実力なんだなと」悔しさが溢れたパリ五輪。今年は代表定着への想いが強くなった1年に
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.23 岩清水梓|パワーのある選手には要注意。いかに味方と連係してパスコースを遮断するか
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.3 柿谷曜一朗|ナニワの天才が語る最重要エリアの魅力。手本にしている選手は…
- 【バイタルエリアの仕事人】vol.10 小野伸二|「僕を目指してはだめ」黄金世代の“天才”が子供たちに伝えたい“努力”の重要性
- 【画像】長谷川唯のダブルピース、猶本光の決めカット、熊谷紗希のキラキラネイル...なでしこジャパンFIFA公式ポートレートギャラリー