「常識が通じない」「やる気も創意工夫も感じられない」Z世代の従業員が現場マネージャーを疲弊させてしまう理由とは
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 【動画】団塊とZ世代で大きな差!?レストランの食後のテーブルを比較した動画が話題に アメリカでは、Z世代の新入社員が使い物にならないとわずか数ヶ月で解雇されるケースが増えている。フランスでも職場における世代間ギャップは大きい。 SNSでは、20代の若者が社会人意識に欠けることを示す動画であふれている。勤務時間中にネイルをする人、日焼けサロンからリモート会議に参加する人等々。パリのPR会社の管理職である36歳のジュディス(1)は自分の体験を語る。「あるインターンから『やあ、元気?』っていきなり声をかけられました。返す言葉もありませんでした。別なひとりは、かなり下品な言い回しで、トイレの位置が気に入らないと文句を言ってきました。マナーを知らない若者が増えている印象です」 こんなふうに思っているのはジュディスだけではない。今回、取材に応じてくれたマネージャーやリーダーの多くが、自分たちとは習慣がだいぶ異なる新卒社員を前にして戸惑い、途方に暮れていた。CESIエンジニアリングスクールの依頼で実施されたイプソスの調査によると、トップマネジメントの86%が、Z世代(1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代)はこれまでの世代とは違うと感じている。具体的には、20代の社員は仕事へのコミットメントが低く、上下関係を守らないとみる会社トップが半数以上いる。さらに20代社員は会社への忠誠心が低いと見ている人が72%いた。
残業はしない
「世界は自分中心に回っていると思っているらしい」とデザイン会社でマネージャーを務める35歳のマキシム(1)はため息をつく。「彼らは自分が高度な知識を有していて、それに見合うものを要求して当然と思っているんだ」とも言う。彼らとは、マキシムがリーダーを務めるチームのメンバーのことだ。主に22歳から27歳のプロジェクトマネジャーで、入社して初めて、もしくは2つめの配属先となる。「やる気も創意工夫も感じられず、仕事だからこなすという態度。当然、目覚ましい成果など得られない」 残業はせず、主体的に仕事に取り組むこともなく、ややもすると上司に責任を押し付けようとする。給料が安いからやる気も起こらないのだろうと一定の理解を示しつつ、マキシムは向上心も気働きもないと嘆いた。「やるのが当然のことまで口に出して言わなくてはやらない。叱る時もそうだし、うっとうしいと思われるのも覚悟だ。嫌な上司と思われないよう、細心の注意を払っているよ」