ハース離脱のマグヌッセン「まだ移籍のチャンスがある。F1のシートを最後まで諦めない」リザーブには興味なし
2024年シーズン末でハースF1チームから離れることを発表したケビン・マグヌッセンは、来年もF1でレースに出場することを望み、確定していないレースシートが残っている間は諦めないと語った。小松礼雄チーム代表は、来年以降もハースとのつながりのなかで仕事を続けてもらうための道を探ると述べているが、マグヌッセンは、リザーブドライバーとしてチームに残ることは否定した。 【関連写真】2024年F1第13戦ハンガリーGP メディアの取材に応えるケビン・マグヌッセン(ハース) 「リザーブドライバーの役割には関心は持たないと思う。ハースで何らかの役割を担うことができるということは、つまりF1の(レース)シートを獲得できなかったことを意味する」とマグヌッセンは、7月18日の発表後に語った。 「その場合、僕はF1から身を引くと思う。ただ毎戦サーキットに行くだけの生活は望まない。自分にとってエキサイティングで充実感のある、他のことに集中したいんだ。リザーブドライバーを務めることは、誰かが足の骨を折るのを待っているようなものだと思う。それはあまりエキサイティングではない」 31歳のマグヌッセンは、レーシングドライバーの仕事から引退するのはまだ早い。父親のキャリアを見れば、あと20年現役ドライバーを続けることも可能なのだ。マグヌッセンにとっては今もF1でレースをすることが一番の目標だが、他のカテゴリーへの転向も視野に入れるという。 「すぐにレース活動をやめるつもりはない。もちろんF1はモータースポーツの頂点だが、F1以外のレースも素晴らしいと以前から考えていた。でも、F1でチャンスがある間はここで走るべきだ。モータースポーツの頂点なのだから。F1でレースをするチャンスは毎日訪れるわけではない。だから、誰もがここにとどまろうとするのは当然のことだ」 現在、ドライバーマーケットの中心となっているのはカルロス・サインツだ。サインツがフェラーリからの移籍先を決めることを誰もが待っており、マグヌッセンもそれは同様だ。 「今残っているなかで一番のビッグネームは彼(サインツ)だ。シートに空きがあるチームはどこも、彼を獲得したがっている」 しかしバルテリ・ボッタスも言うように、マグヌッセンは「いずれは待つことに我慢できなくなるチームも出てくる」と考えている。 「確かなことは言えないが、彼はいつまでも先延ばしにし続けることはできないし、そんなことはしないだろう。そのうち自分にとって最善の決断を下すはずだ。今は、自分の行き先について、とても慎重に検討している。それについて彼と話をしたことはないけれど、それは想像できる。今はそういう状況だが、彼の行き先が確定すれば、残りのすべてがすぐに決まる」 マグヌッセンは過去を振り返り、「子どものころからずっと、F1にたどり着くことだけを考えてきた」と述べた。 「そして10年間、この世界に携わってきた。2021年には(F1を離れてIMSAでレースをして)人生の異なる側面を見ることになったが、それは興味深く、刺激的だった。怖いようなことではなく、実際、とても前向きで楽しい経験だった」 「それが僕の考え方を変えたと思う。それまではF1シートを失うことをとても恐れていた。外の世界がどういうものなのか、知らなかったからだ。でも、それ(一度F1以外の経験を積んだこと)が、教えてくれたことがある。できる限り長くF1にとどまるべきではあるが、外の世界を恐れる必要はないということをだ。F1後の人生もきっと素晴らしいものになるだろう」 [オートスポーツweb 2024年07月19日]