初めてつかんだ全国切符!! 明誠が益田東にリベンジ、5発逆転勝利で初の頂点に!!:島根
[11.9 高校選手権島根県予選決勝 明誠高 5-1 益田東高 島根県立サッカー場] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 第103回全国高校サッカー選手権島根県予選決勝が11月9日に行われ、明誠高と益田東高が対戦。明誠が5-1で勝ち、インターハイ(全国高校総体)も含めて初の全国大会出場を果たした。 昨年度まで県内最多20回の出場を誇る立正大淞南が準決勝、同2位で11回出場の大社高が準々決勝で敗退。両校そろって不在の決勝は31年ぶり、どちらが勝っても初出場という一戦は、立ち上がりから大きく動いた。前半3分(40分ハーフ)、益田東はエリア内へのロングフィードに反応したFW和井元孝介(3年)が、抜け出そうとしたところで明誠GK富森悠斗(2年)に倒されてPKを獲得。これをキャプテンのDF宮地孝文(3年)が決め、早くも均衡を破った(得点時間は5分)。 だが明誠も9分、MF荒冷大翔(3年)が左サイドからセンタリングを送ると、エリア内の相手選手の手に当たってPKの判定。こちらもキャプテンのDF大谷俊太(3年)が決め、すぐさま同点とした(得点時間は11分)。 さらに明誠は直後の12分、左サイドを抜け出したMF日置羅音(3年)が切り返しで相手DFをかわし、後方にパス。待っていた荒冷がダイレクトで左足を振り抜き、カーブをかけた鮮やかなシュートをゴール左上に決めて2-1とする。 益田東は33分に選手交代を行って流れを変えようとするが、明誠は個人技やパスワークを交えて巧みにボールを動かし、敵陣に侵入していく。35分にはMF高橋星和(2年)のパスに反応して最終ラインの背後に抜け出したFW池田龍心(2年)が、右足で決めて3点目。その後もチャンスを作るなど完全に流れをつかみ、3-1とリードして前半を終えた。 何とか挽回したい益田東は後半5分、右サイドからFW高村詩(2年)が右足で狙うも、わずかに左に外れる。ピンチをしのいだ明誠は10分、CKからエリア内にこぼれたボールを池田が左足で蹴り込み、さらにリードを広げる。 なおもカウンターでチャンスを作る明誠に対し、益田東も懸命に相手ゴールを目指すが、ミドルシュートが枠を外れるなど決定機を作れない。余裕を持って試合を進める明誠は31分、ドリブルでエリア内左サイドに侵入したMF三浦颯(3年)が、前に出てきたGKの前で横につなぎ、MF田淵伶麻(2年)が難なく蹴り込んで5点目。決勝の大舞台で鮮やかなゴールラッシュを見せ、初出場を決めた。 明誠はいきなり先制されたものの、そのまま主導権を握られることなく流れを引き寄せ、次々に得点を重ねて逆転勝利。「立ち上がりにバタつくのは予想していたので、スタッフ陣も落ち着いた姿を見せなければいけないと話していた」と語った白谷建人監督は、2-2からのPK戦で勝ち抜いた準々決勝の大社戦でも先制されていたことを踏まえ、「失点してもブレずにやろうと、選手たちが集まって話し合えたことがよかった」と称えた。 今年は2月の新人戦と5月のインターハイ予選で、どちらも準々決勝で敗れ、県リーグでも1分け1敗と一度も勝てていなかった益田東に雪辱を果たし、初めてつかんだ全国切符。「まだ実感がない」と語った大谷は、「自分たちのサッカーを多くの方に見てもらいたい。パスをつなぎ、見ている人を楽しませるサッカーをしたい」と夢舞台に思いを馳せていた。 (取材・文 石倉利英)