医師に聞く、40代50代の更年期と自律神経のこと。受診するタイミングやイライラ対策も
家族の前でイライラしてしまう、なんとなく不調の日が続く…など、悩みが尽きない「更年期」。産婦人科医の高尾美穂先生が、更年期世代がよく感じる不安・疑問についてQ&A形式で答えてもらいました。 ※ この記事は『更年期と自律神経のセルフケアブック』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
Q:家族の前でイライラ、どうしたらやめられる?
A.自分で自分に「怒っていい」と許可を出していないか考えよう たとえば友人と一緒にいるとき、普段家族にイライラするのに似た状況が起こったとします。家の中でと同じように怒りをぶつけますか? 友人には怒ったりしない人も多いでしょう。怒るという行為は「自分に怒っていいと許可を出している」ということ。それは家族に対する甘えもあるかもしれません。とはいえ、イライラ感情には必ず原因があるはず。家族の行動に原因があるなら、その状況を伝えて、改善のための協力をお願いしましょう。
Q:なんとなくの不調でも病院に行っていい?
A.更年期世代の不調なら「女性のヘルスケア」の専門医へ 体の変化や不調があるなら迷わず病院へ行きましょう。ただし、ひと口に産婦人科といっても「周産期」「不妊」「腫瘍」などと専門領域が分かれており、更年期のケアは「女性のヘルスケア」の専門医がいる病院がベストです。症状や悩みをだれかに聞いてもらうだけでラクになることも。事実、日本人女性において「カウンセリングによって更年期不調の9割が改善した」という集計結果もあるんですよ。
Q:男性にも更年期がある?
A.最近では「男性更年期障害」という言葉も聞くようになりました 「男性更年期障害」は、重度のストレスや環境の変化で、男性ホルモンの分泌が落ち込む状態を指します。テストステロン(男性ホルモン)の値が年齢平均値よりも有意に低く、イライラや攻撃性、判断力や認知機能の低下などが代表的な症状です。サインのひとつには性機能の低下が含まれるので、女性更年期よりもややセンシティブ。パートナー同士で更年期について話してみるのもいいでしょう。