【パッと見でわかる】株価が「これから上がる/これから下がる」サイン【元・大手証券マンのプロ投資家が解説】
日本株で勝つには、どうすればよいのか。本稿では、元証券マンのプロ投資家・渡部清二氏の著書『プロ投資家の先を読む思考法』(2023年12月刊行、SBクリエイティブ)より一部を抜粋し、市場の先読みをする投資判断の方法を紹介します。今回は「ローソク足」について見ていきましょう。
最低限これだけは知っておいてほしい、株価チャートの読み方
ここからは、チャートを読むのに最低限これだけは知っておいてほしいということ、そして数あるサインのうち比較的わかりやすいものに絞って解説していくこととします。 株価チャートは基本的に、 (1)ローソク足 (2)出来高 (3)テクニカル分析指標 の3つで構成されています。本稿では、(1)ローソク足について見ていきましょう。
ローソク足を構成する4本の「値」
ローソク足は「始値(はじめね)」「高値(たかね)」「安値(やすね)」「終値(おわりね)」の4本で構成されています。終値が始値よりも上昇しているものは陽線、下落したものは陰線となります。 一応ご説明しておくと、 ・始値 その日の取引で最初に成立した株価 ・高値 一定期間でいちばん高い株価 ・安値 一定期間でいちばん安い株価 ・終値 その日の取引で最後に成立した株価 のことをいいます。 一瞥(いちべつ)しただけで一定期間の株価の動きがわかるすぐれもののローソク足ですが、その発明者は本間宗久(そうきゅう)と呼ばれる江戸時代の天才相場師だったといわれています。今では世界中で使われているローソク足が日本人の発明だったとは、同じ日本人として誇らしい限りです。
ローソク足を見るとトレンドがわかる
図表3は、一定期間のローソク足の動きを示したものです。右肩上がりになっていれば「上昇トレンド」、右肩下がりであれば「下落トレンド」、上昇とも下落ともつかなければ「もち合いトレンド」となります。 株の売買のタイミングで迷っているとき、このようなトレンドの動きを見れば相場がどの方向を向いているのかを知ることができます。
大底での買い転換を示す「陽の抱き線」
買い転換したことを示すローソク足のパターンがあります。 図表4の右側のように、前日の陰線を完全に包み込むような形の陽線が出る2本のローソク足の組み合わせで、これを「陽の抱き線」といいます。安値圏で陽の抱き線が出た場合、株価が底値を打ったサインとなります。 これとは逆に「陰の抱き線」というのもあります。高値圏でこれが出た場合は、株価が天井を打ったサインとなります。