「米国割安株」にも投資機会、アライアンス・バーンスタインのポートフォリオ・マネージャーに聞く
これに対し、「レラティブ・バリュー」戦略では、収益性とバリュエーションをより重視しています。「優れたビジネスを魅力的な価格で組み入れる」ことをめざしているためです。バリュエーションだけでなく、企業の収益性やビジネスの強さを評価しているため、一般的なバリュー戦略と比較してバリュー相場の時に上昇率がやや劣るという部分はありますが、バリュー戦略が下落する局面において「レラティブ・バリュー」戦略の下落率は低く抑えられ、結果として中長期のリターンでは他のバリュー戦略に勝るパフォーマンスを残しています。
これまでの株式市場は、「グロース」が優位な局面と「バリュー」が優位な局面が交互に起こってきました。過去10年という期間では、「グロース」が優位な期間が長くなっていますが、その中にあっても「バリュー」が活躍した期間もあります。「グロース」と「バリュー」が、どちらが優位な展開になるのか、その変化のタイミングを見極めることは非常に難しいことです。ですから、どちらかの戦略をタイミングを見計らって入れ替えて投資するというより、両方の戦略を平行して保有することによって、ポートフォリオ全体として安定的なパフォーマンスを獲得することにつなげることができます。
――米国株式市場の中長期的な見通しを聞かせてください。過去数十年にわたって、米国株式市場は世界の株式市場をリードする存在であり続けました。インドなど新興国が台頭する中、引き続き、米国は世界の中心であり続けることができるのでしょうか?
米国企業には、イノベーションの先端企業が多く含まれており、他の市場よりも高い成長が期待できる市場であるということができます。米国は医薬品や医療機器、産業機械など多くの分野で世界のリーダー企業がそろっています。このような優位性は、他の市場に勝っていますので、引き続き世界の投資家の注目を集め続けると考えます。
もう一つは、米国株式市場の投資家層の厚さを背景に、世界の企業が米国株式市場への上場をめざしています。英国発祥の半導体開発会社であるアーム、オランダの半導体関連企業であるASMLなど、米国市場を主たる市場にしている外国企業は少なくありません。世界の有力な企業が米国上場を目指すということも米国株式市場が世界の中心であり続けることの要因の1つになっています。
ウエルスアドバイザー