「米国割安株」にも投資機会、アライアンス・バーンスタインのポートフォリオ・マネージャーに聞く
「レラティブ・バリュー」戦略の過去10年(2024年3月末時点)のリターンは米ドルベースで年率10.9%で、ラッセル1000バリューの9.0%を上回り、競合の米国大型バリュー戦略の中央値をも上回っています。グロース優位の期間が長かった過去10年においても年率2ケタのリターンを獲得できています。これは、上昇追随率は競合の米国大型バリュー戦略の中央値にはやや劣るものの、下落追随率は大幅に小さいことが要因です。
――米国大型株運用チームは、「グロース」も「バリュー」も両方の戦略を並列して実施しているということですが、そのことによるメリット、デメリットは?
「レラティブ・バリュー」戦略のパフォーマンスを要因分析すると、ラッセル1000バリュー指数などのインデックスをアウトパフォームしている要因は、ほとんどが銘柄選択効果です。たとえば、2024年1月~5月で、「レラティブ・バリュー」戦略はラッセル1000バリュー指数を1.4%程度アウトパフォームしましたが、その要因のほとんどが銘柄選択効果という結果でした。このように、銘柄選択がパフォーマンスの決め手であり、バリュー戦略でもグロース戦略でも優れたビジネスを行っている企業を見極めるということに特化したチームの存在は大きな財産だと思います。
米国大型株運用チームは、割安株投資でも成長株投資でも、ともにビジネスのクオリティを重視しています。同じフレームワークを使って、いくつかの要素について重視するポイントが違うことで異なるポートフォリオを作ることができます。2つの戦略は、ともに収益性、資産成長、バリュエーションという3つの特性を重視していますが、「ラージ・キャップ・グロース」戦略では、なかでも収益性と資産成長をより重視しています。このことによって、「持続的に成長する非常に優れたビジネスを組み入れる」というポートフォリオを構築し、ベンチマークを上回る実績を残してきました。