PK奪取のキラーパスを通した久保建英は1-0勝利のパナマ戦で「爪痕を残すこと」ができたのか?
心配無用を強調したキャプテンのDF吉田麻也(サンプドリア)は、強固なブロックと激しいプレスを併用して日本の攻撃を遮断し、攻撃に転じるや鋭いシュートを放ってきたパナマをこう見ていた。 「後半に落ちるだろうな、と思っていたので。そこを突くことができたのかな、と」 吉田、MF柴崎岳(レガネス)ともにコートジボワール戦に続いて、ポジションを左サイドハーフから左シャドーに代えて先発した久保も、キャプテンと同じ思いを抱きながらプレーしていた。 「相手も簡単にはやらせてくれないなかで、自分たちもできるだけ間の嫌らしいポジションを取りながら、味方のセンターバックやボランチの選手が前を向いて、縦パスを出せるときに備えて準備していました。ベンチから『焦らずに』という指示が飛んでいたなかで、自分たちもぶれずにプレーし続けたことが相手に迷いを生じさせ、疲れも誘ったことが後半に結果として出てきたのかなと思います」 後半開始とともに橋本に代わって投入された遠藤が、ブンデスリーガ1部の舞台を席巻しているデュエルの強さを何度も発揮。日本の中盤で代役の効かない存在感を放ち、味方からボールを受けるや前を向き、速い縦パスを矢継ぎ早に入れるようになって状況は一気に好転。PK奪取に繋がる縦パスを入れた場面では久保、そして左斜め前へ走り込んできた南野がそろってフリーになっていた。 「一緒にプレーしていてすごく余裕があると感じましたし、それぞれのクラブで結果を出して日本代表に来ているなかで、遠藤選手は特に自信をもって来ていると思いますし、そういった意味では自分もそういう自信を吸収していきたいですね」 先月のオランダ遠征からさらにスケールアップし、中盤の将軍として貫禄すら漂わせる遠藤の姿に驚きながら、久保は自らの左足に寸分違わず、なおかつトラップしながら前を向ける縦パスが入った場面に、そして次の瞬間に南野へ完璧なスルーパスを出せた自身のプレーに手応えを深めている。 「味方の特長もだんだんわかってきて、連携を深めながらチームのコンセプトも理解してきて、まだまだ足りないことだらけですけど、自信というか、代表の一員という認識は出てきています。ああいうパスを出すことでみんなも自分の特長をわかってくるし、相手に警戒されたときには自分で運ぶようなパターンも増えていく。自分からパスを出せるし、逆に自分もほしいとアピールすることもできるので」